次世代・探究

先輩教師の言葉を胸に、授業を仕上げる。|マンガ教材探究型授業プログラム2025 #4

「先生になる」とは、 子どもたちの前で上手に話すことだけではありません。 どんな気持ちで子どもと向き合うのか。 何を大切にして教室に立つのか。

2025年11月8日。 本番前にメンバーが集まる最後のワークショップに、 毎年この活動を支えてくださっている 日比野安平先生をお迎えしました。 先輩教師からの言葉を受け取った高校生たちは、 11月28日の三和小学校での模擬授業へ向け、 各グループの授業計画を仕上げていきました。

マンガ教材探究型授業プログラム2025|WORKSHOP #4

プロジェクト概要

事業名
市活委第4号 「マンガ教材を活用した教材開発ワークショップ開催」委託業務
実施日
2025年11月8日
時間
10:00〜12:00
会場
美濃加茂市生涯学習センター
テーマ
日比野安平先生による講義と本番授業への最終準備
参加
加茂高校 高校生16名
協力
日比野安平先生
企画・伴走
美濃加茂市/ミライクエスト
16名 この日の参加高校生
5回目 日比野先生による継続的なサポート
最終回 本番前に全員で集まるワークショップ

10月4日から始まった2025年度のワークショップ。

10月15日には三和小学校と三和富士山道を訪れ、 実際の授業フィールドを自分たちの目で確認しました。

10月18日には、 本番の時間割やグループ構成、 晴天時・雨天時の授業構成まで高校生自身で考えました。

そして11月8日。

本番前にメンバーが集まれる最後のワークショップです。

各グループではすでに授業のイメージがかなり具体化していました。 この日はそこへもう一つ、 「先生として子どもたちとどう向き合うのか」 という視点が加わりました。

先輩教師から、高校生へ

この日お越しいただいたのは、 長年教育現場に携わり、 美濃加茂市教育長も務められた日比野安平先生です。

日比野先生には、 このマンガ教材を活用した授業づくりの活動を 継続して支えていただいています。

2025年度で、 令和3年度から数えて5回目の参加となりました。

加茂高校の高校生へ語りかける日比野安平先生
高校生たちの前に立ち、 教師として歩んできた経験をもとに語る日比野安平先生。 本番を前にした高校生たちへ、 先輩教師として言葉を届けてくださいました。

なぜ教師になったのか。

教師になってから、 どのような気持ちで子どもたちと向き合ってきたのか。

教室の中で、 一人ひとりの子どもを見るとはどういうことなのか。

授業の方法論だけではなく、 その前にある「教師としての姿勢」について、 自身の経験を交えながら話してくださいました。

資料を手に高校生へ話をする日比野安平先生
資料を手にしながら高校生へ語りかける日比野先生。 教育現場での経験や、 子どもたちと向き合う上で大切にしてきたことが共有されました。

「授業のつくり方」だけではなく、「先生としての在り方」も学ぶ

このプログラムでは、 高校生が授業計画をつくることだけを目的としていません。 実際に子どもたちの前に立つからこそ、 相手を見ること、言葉を選ぶこと、 耳を傾けることも含めて、 「教える」という仕事を体験します。

三和小学校という「本物の教室」に立つ前に

日比野先生からは、 本番の舞台となる三和小学校についても話をいただきました。

三和小学校は、 美濃加茂市の小規模特認校制度の対象校でもあります。

日比野先生自身が教育長時代に関わった制度についても説明いただき、 高校生たちは 「自分たちがどのような学校で授業をするのか」 という背景への理解も深めました。

学校は単なる授業会場ではありません。

そこには子どもたちがいて、 先生たちがいて、 地域との関係があり、 長い時間をかけて積み重ねられてきた教育があります。

その中へ自分たちが「先生」として入っていく。

本番を前に、 高校生たちにとって改めてその意味を考える時間になりました。

答えをもらうのではなく、自分たちの授業を磨く

日比野先生の話を聞いた後は、 各グループで授業計画の最終調整に入りました。

この段階では、 事前の現地視察や、 ワークショップ以外でのやり取りも重ねてきたことで、 それぞれのグループに 「こんな授業をしたい」というイメージが ほぼ出来上がっていました。

日比野先生が各グループを回り、 高校生たちの話を聞きます。

そして高校生から質問が出れば、 すぐに答えを与えるのではなく、 経験をもとにヒントや視点を伝えてくださいました。

高校生の授業計画の相談に耳を傾ける日比野安平先生
グループの高校生の話に耳を傾ける日比野先生。 高校生が考えてきた授業を尊重しながら、 質問や相談に一つひとつ向き合ってくださいました。

この距離感も、 このプログラムの大切な特徴です。

大人が授業案を完成させるのではありません。

授業をつくるのは高校生です。

大人は、 その考えを聞き、 必要なときに問いを投げ、 経験から得た視点を渡す。

最後まで高校生自身が考える余白を残しながら、 本番へ伴走していきます。

各グループで、最後の仕上げへ

後半は、 6つのグループに分かれて授業計画を詰めていきました。

子どもたちとの最初のコミュニケーションをどうするか。

林道で何を見てもらうか。

教室に戻ってから、 何を問いかけるか。

マンガ教材をどこで使うか。

どんな言葉なら小学生に伝わるか。

そして、 自分たちが一番伝えたいことは何なのか。

本番を想像しながら、 一つひとつ確認していきます。

本番授業に向けてグループで授業計画を確認する高校生たち
本番へ向けたグループワーク。 これまで考えてきたアイデアを見直し、 実際に小学生の前で実施できる授業へ整えていきます。
資料を見ながら授業計画について話し合う高校生たち
資料やワークシートを見ながら、 授業の内容や進め方を確認。 「自分たちは何を伝えたいのか」を グループの中でもう一度言葉にしていきます。

必要な道具まで、自分たちで考える

授業の準備は、 内容を考えれば終わりではありません。

実際に授業を行うためには、 必要な道具や材料も準備する必要があります。

この日は、 各グループが本番当日に使用する備品についても確認し、 必要なものをリストにまとめました。

「何をしたいか」から逆算して、 「そのために何が必要か」を考える。

ここにも、 高校生が自分たちで授業をつくるという考え方があります。

本番授業の計画や必要な準備を書き出す高校生たち
ワークショップ終盤。 授業内容や必要な準備をそれぞれ書き出しながら、 本番に向けた最後の確認を進めました。

2025年度|本番までのプロセス

10.04 やりたい授業を考える
10.15 現場を見る
10.18 時間と構成を決める
11.08 授業を仕上げる
11.28 小学校で実践する

「教えてもらう」から、「自分たちでつくる」へ

4回のワークショップを振り返ると、 高校生たちの役割は少しずつ変化しています。

最初は、 活動の目的やこれまでの先輩たちの実践を知るところから始まりました。

そこから、 自分のアイデアを出し、 現場へ行き、 時間割をつくり、 グループで話し合い、 最後には必要な道具まで考えるようになりました。

大人から与えられた授業を行うのではありません。

自分たちでつくった授業を、 自分たちの言葉で届ける。

いよいよ次は、 三和小学校の子どもたちの前に立ちます。

OUTPUT|この日に形になったもの

  • 各グループの本番授業計画を最終調整
  • 本番で使用する教材・道具・備品を確認
  • 各グループで必要備品のリストを作成
  • 日比野先生から教師として子どもと向き合う視点を学んだ
  • 三和小学校で授業を行う意味や学校の背景を再確認した

OUTCOME|高校生に生まれた変化

  • 授業の方法だけでなく、子どもとの向き合い方を考える視点が深まった
  • 自分たちの授業計画を大人へ説明し、相談する経験につながった
  • 必要な準備を自分たちで逆算して考える力が育った
  • グループで役割や授業内容を調整する主体性が高まった
  • 「教える側」として本番に立つ意識がより具体的になった

IMPACT|積み重なっていく価値

  • 地域の教育経験を次世代へ受け渡す機会の形成
  • 経験豊富な教育者と教員志望の高校生をつなぐ世代間交流
  • 高校生が地域の学校で実践できる継続的な学習環境の形成
  • 先輩から後輩へ授業づくりの経験が引き継がれる仕組みの蓄積
  • 行政・学校・教育者・民間が協働する地域人材育成モデルへの発展

5年間続いてきたからこそ、生まれる学び

このプログラムでは、 毎年ゼロからすべてをつくり直しているわけではありません。

これまで参加した高校生たちの授業計画や、 活動写真、 小学生の反応、 時間配分、 うまくいったこと、 うまくいかなかったこと。

そうした経験が、 次の高校生たちへ少しずつ引き継がれています。

そして日比野先生のように、 毎年継続して高校生を支えてくださる大人の存在があります。

活動を続けることで、 「今年の授業」だけではなく、 地域の中に経験や関係性そのものが蓄積されていく。

それも、この取り組みが継続する大きな意味だと考えています。

美濃加茂市

学校・地域との調整や実践機会を整え、 高校生が実際の教育現場で挑戦できる フィールドをつくります。

ミライクエスト

高校生自身が考え、決め、試すプロセスを設計。 教育者・学校・行政と高校生をつなぎながら、 本番の実践まで継続して伴走します。

あとは、自分たちの授業を届けるだけ。

アイデアを出し、 現場を見て、 時間を決め、 先輩教師の言葉を受け取り、 最後の授業計画を仕上げました。 次はいよいよ11月28日。 三和小学校の子どもたちを前に、 高校生たちが「先生」になります。

事業: 市活委第4号 「マンガ教材を活用した教材開発ワークショップ開催」委託業務
実施日: 2025年11月8日
実施時間: 10:00〜12:00
実施場所: 美濃加茂市生涯学習センター
対象: 岐阜県立加茂高等学校 高校生16名
協力: 日比野安平先生
企画・伴走: 美濃加茂市/ミライクエスト

次世代に原体験を。地域には知の資産を。

ミライクエストは、 行政・学校・地域の皆さまとともに、 次世代が実際の地域をフィールドに 考え、挑戦し、実践できる機会を育てていきます。

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