授業で何をするかだけではなく、 「何分使うのか」 「どの教室を使うのか」 「雨が降ったらどうするのか」まで、 高校生自身が決めていく。
2025年10月18日の第3回ワークショップでは、 前回の現地視察で得たイメージを、 本番当日の具体的な時間割へ落とし込んでいきました。 この日の参加者は5名。 少人数だからこそ、 参加した高校生たちがリーダーとなって 全体を設計する時間になりました。
プロジェクト概要
- 事業名
- 市活委第4号 「マンガ教材を活用した教材開発ワークショップ開催」委託業務
- 実施日
- 2025年10月18日
- 時間
- 10:00〜12:00
- 会場
- 美濃加茂市生涯学習センター
- テーマ
- 本番授業のタイムテーブルと実施内容の設計
- 参加
- 加茂高校 高校生5名
- 形式
- ワークショップ
- 企画・伴走
- 美濃加茂市/ミライクエスト
10月15日の現地視察では、 高校生たちは三和富士山道や三和小学校を実際に訪れ、 本番の授業を具体的にイメージしました。
次に必要なのは、 そこで生まれたアイデアを 「授業として実行できる形」にすることです。
本番で使える時間は、 13時から14時50分までの約110分。
この限られた時間の中で、 アイスブレイク、 林道でのフィールドワーク、 教室での授業を どのように組み合わせるのか。
この日の高校生たちに委ねられたのは、 いわば「授業全体を設計する仕事」でした。
参加できた5人が、全体のリーダーになる
この日は部活動や大会、 体調不良なども重なり、 参加できた高校生は5名でした。
しかし、 参加人数が少ないからといって ワークショップを縮小することはしませんでした。
むしろこの5名を 全体のリーダー役として位置づけ、 本番授業の基本構成を 自分たちで決めてもらうことにしました。

「人数が少ない日」も、学びの機会に変える
全員がそろわないから何も決められない、 ではなく、 その日に参加できるメンバーが 責任を持って全体の方向性を考える。 これもチームでプロジェクトを進めるうえで 大切な経験の一つです。
「何をするか」から、「何分でやるか」へ
授業のアイデアだけであれば、 自由に膨らませることができます。
しかし、 実際に学校で授業を行うためには、 時間という制約があります。
林道を歩くのに何分必要か。
小学生との距離を縮める アイスブレイクには何分必要か。
教室へ戻ってから、 自分たちが本当に伝えたい内容を どれくらいの時間で届けるのか。
ホワイトボードに時間を書き出し、 足したり、削ったりしながら 一つずつ詰めていきました。


晴れの日だけではなく、雨の日も考える
本番で予定している 三和富士山道の散策は屋外活動です。
当然、 当日雨が降る可能性もあります。
そこで高校生たちは、 「晴れた場合」と「雨の場合」の 二つの授業構成を考えました。

特に興味深いのは、 雨の場合の構成です。
高校生たちは教室内だけでも 約100分を単調にしないために、 「まじめな授業」と 「楽しむ授業」に分けるという アイデアを出しました。
これは単なる時間配分ではありません。
子どもたちが最後まで集中して参加できるよう、 授業にリズムをつくろうとする 高校生なりの工夫です。
教室の割り振りも、高校生自身で考える
この日決めたのは タイムテーブルだけではありません。
本番では、 三和小学校の児童を6つのクラスに分け、 高校生も6つのグループに分かれて 授業を行います。
どのメンバーが同じグループになり、 どの教室を担当するのか。
こうした運営面についても、 高校生自身が相談しながら 一つずつ決めていきました。

これは、「先生になる」追体験でもある
教師の仕事は、 教室の前に立って話すことだけではありません。
限られた授業時間の中で、 何を最も大切にするのかを決める。
子どもの集中力や反応を想像する。
フィールドへの移動時間を考える。
天候が変わった場合の 別のプランも用意する。
教室やグループを割り振る。
こうした授業の「裏側」まで経験することは、 教員を志す高校生にとって、 実際の教師の仕事を追体験する機会でもあります。
授業づくりは、プロジェクトづくりでもある
目的を決める。 時間を配分する。 メンバーの役割を決める。 リスクを想定し、 別のプランも用意する。 これは授業づくりであると同時に、 一つのプロジェクトを動かす経験でもあります。
全員がそろっていなくても、プロジェクトは進む
この日に決めた内容は、 参加できなかった高校生たちにも 共有されていきます。
全員が毎回集まれるとは限りません。
だからこそ、 集まれたメンバーが意思決定し、 それを他のメンバーへ伝え、 次の活動につなげていく。
学校の授業という枠を越えて、 一つのチームとして動く姿が 少しずつ生まれてきました。
この活動から生まれたもの
OUTPUT|形になった成果
- 本番授業13:00〜14:50の基本構成を高校生自身が決定
- 晴天時の授業タイムテーブルを作成
- 雨天時の代替授業タイムテーブルを作成
- アイスブレイク・フィールドワーク・教室授業の時間配分を整理
- 6つの授業グループの構成を確認
- 参加できなかった高校生へ共有するための基本方針を決定
OUTCOME|高校生に生まれた変化
- 授業アイデアを現実の時間枠へ落とし込む経験を得た
- 限られた時間の中で優先順位をつける視点が生まれた
- 天候など不確実な条件を想定して計画する力が育った
- 少人数でも主体的に意思決定する経験につながった
- 自分のグループだけでなくプログラム全体を見る視点が生まれた
- 授業の裏側にある教師の計画・運営を追体験する機会となった
IMPACT|育てていきたい変化
- 自ら考え、決め、他者へ共有できる次世代人材の育成
- 地域の学校をリアルな社会実践のフィールドとして活用する仕組みの形成
- 教員志望の高校生が教師の仕事を実践的に理解できる機会の創出
- 計画・役割分担・リスク対応まで含めたプロジェクト型学習への発展
- 先輩から後輩へ経験と授業設計の知が蓄積されていく継続モデルの形成
「やってみたい」を、「実行できる」に変える
10月4日には、 自分たちがどんな授業をしたいのかを考えました。
10月15日には、 実際のフィールドへ入りました。
そして10月18日。
そのアイデアを 「何分で」 「どこで」 「誰と」 「どんな順番で」 実行するのかを決めました。
アイデアは、 計画になったとき初めて 実践へ近づきます。
この日の5人の高校生たちは、 その重要な一歩を 自分たちの手で進めました。
美濃加茂市
三和小学校との調整や本番授業の実施環境を整え、 高校生が実際の学校現場で 自分たちの授業を試せる機会をつくります。
ミライクエスト
答えを先に与えるのではなく、 高校生自身が時間配分や授業構成を考え、 意思決定していくプロセスを設計。 本番まで継続して伴走します。
「授業をする」の前に、「授業をつくる」を経験する。
どんな授業をしたいかを考えるだけではなく、 時間、場所、メンバー、天候まで含めて 一つの授業を成立させていく。 そのプロセスそのものが、 高校生にとって大切な学びになっています。
実施日: 2025年10月18日
実施時間: 10:00〜12:00
実施場所: 美濃加茂市生涯学習センター
対象: 岐阜県立加茂高等学校 高校生5名
企画・伴走: 美濃加茂市/ミライクエスト
次世代に原体験を。地域には知の資産を。
ミライクエストは、 高校生が地域の現場で 自ら考え、決め、実践する機会を、 行政・学校・地域とともに育てていきます。