次世代・探究

授業づくりは、場づくりから。|マンガ教材探究型授業プログラム2025 #1

2025年10月4日。 美濃加茂市生涯学習センターで、 2025年度の「マンガ教材探究型授業プログラム」が 本格的にスタートしました。

今年度参加するのは、 岐阜県立加茂高等学校の高校生16名。 その中には、昨年度の活動を経験し、 「もう一度挑戦したい」と参加してくれた高校生もいます。

2025年度は、 これまで以上に高校生自身の主体性を大切にしました。 授業計画を考えるだけではなく、 ワークショップを行う「場」を自分たちでつくるところから始めます。

2025年度|マンガ教材探究型授業プログラム #1

プロジェクト概要

実施日
2025年10月4日(土)10:00〜12:00
実施場所
美濃加茂市生涯学習センター
参加者
岐阜県立加茂高等学校 高校生16名
ワークショップ
全4回
グループ
6グループ
今回のテーマ
昨年度までの実践の共有、 マンガ教材の確認、 自分たちがつくりたい授業のアイデア出し
本番授業
2025年11月28日(金)/美濃加茂市立三和小学校
企画・伴走
美濃加茂市/ミライクエスト
受託・運営
田園社会イニシアティブ株式会社/ミライクエスト
16名 加茂高校の高校生
6グループ 本番授業に向けて始動
4回 本番までの教材開発ワークショップ

授業づくりの前に、自分たちで「場」をつくる

この日のワークショップは、 高校生が席に座って説明を聞くところからは 始まりませんでした。

まず行ったのは、 机や椅子の配置を自分たちで考えること。

「どう並べれば話しやすいだろう」 「プロジェクターはどこに置けばよいだろう」 と、高校生自身が周囲を見ながら動いていきます。

大人があらかじめ整えた環境へ入るのではなく、 自分たちが活動しやすい環境を 自分たち自身でつくる。

2025年度は、 そんな小さなところから 「主体的に考え、行動する」ことを プログラムに組み込みました。

ワークショップ開始前に自分たちで机を移動する加茂高校の高校生
ワークショップ開始前。 まずは高校生自身が机や椅子を動かし、 話し合いやすい場のレイアウトを考えました。
プロジェクターを設置する高校生たち
プロジェクターの設置も自分たちで。 「準備してもらう」のではなく、 必要なことに気づき、自分たちで動くところから始めます。

2025年度で、より大切にしたこと

大人がすべてを決め、 高校生がその指示どおりに動くのではなく、 できる限り高校生自身が考え、 判断し、行動する余白をつくること。

最終的な模擬授業だけでなく、 そこへ向かうプロセスそのものを 学びの機会として設計しています。

先輩たちの実践が、次のスタート地点になる

ワークショップではまず、 これまでの高校生たちが行ってきた授業や、 マンガ教材の使い方を振り返りました。

このマンガ教材は、 美濃加茂市の地域資源や里山、 SDGsなどをテーマに、 加茂高校の高校生とともに制作してきたものです。

そして近年は、 教材そのものをつくるだけではなく、 その教材を使って 「小学生にどのような授業を届けるのか」を 高校生自身が考える取り組みへと発展しています。

過去の授業の写真や、 先輩たちの工夫、 子どもたちの反応。

それらは単なる思い出ではありません。

次の高校生たちが考えるための 「知」として蓄積され、 新しい授業づくりのスタート地点になっています。

まずは一人で考える。「自分は、どんな授業をしたい?」

ここからは、 マンダラ形式のワークシートを使い、 一人ひとりが自分の考えを書き出していきました。

中心に置くのは、 「自分はどんな授業をしたいのか」 という問いです。

子どもたちに何を伝えたいのか。 どんな時間にしたいのか。 何が必要なのか。 自分はどんな役割ができそうなのか。

いきなりグループで答えを決めるのではなく、 まず一人ひとりが自分自身の考えと向き合います。

マンダラ形式のワークシートに自分の授業アイデアを書き込む高校生
マンガ教材を手元に置きながら、 自分がやってみたい授業や そのために必要な要素を一人ひとり書き出していきます。
授業アイデアをマンダラ用紙へ整理する高校生
まずは個人で考える時間。 誰かの答えに合わせる前に、 「自分は何をやってみたいのか」を言葉にしていきます。

一人のアイデアを、グループのアイデアへ

個人ワークの後は、 書いた内容をグループのメンバー同士で共有しました。

自分では思いつかなかった発想。 同じことを考えていた仲間。 全く違う方向から出てくるアイデア。

それぞれの考えを見せ合い、 話し合うことで、 一人の中にあった授業のイメージが 少しずつグループの計画へと変わっていきます。

マンダラワークで考えた内容をグループで共有する高校生
個人で考えた内容を持ち寄り、 互いのアイデアを聞きながら グループとしての方向性を探っていきます。
マンガ教材を見ながら授業のアイデアを話し合う高校生
マンガ教材も見返しながら話し合います。 「教材の内容をどう教えるか」だけではなく、 子どもたちがどうすれば参加したくなるかまで考えていきます。
用紙へアイデアを書き込みながら話し合う高校生たち
話したことをその場で書き込み、 また考える。 書くことと対話することを行き来しながら、 授業のイメージを広げていきました。
グループで授業計画について話し合う高校生
グループごとの話し合いは、 初回から活発に進みました。 この日生まれたアイデアを、 次の現地視察で実際の場所と重ね合わせていきます。

2025年度は、「現場を見る」プロセスを加える

今年度の大きな変更点の一つが、 本番前に 三和小学校と周辺の林道を実際に視察する時間 を設けたことです。

これまでの活動では、 ワークショップで授業計画を考え、 本番当日に初めて現場へ入る部分もありました。

2025年度は、 10月15日に三和地区を訪れ、 実際に子どもたちと歩く林道、 授業をする教室、 学校という空間そのものを 事前に確かめることにしました。

今日考えたアイデアが、 実際の場所ではどう見えるのか。

次のワークショップでは、 「頭の中の授業」から 「現場で行う授業」へと、 さらに一歩進めていきます。

01

自分のやりたいことを考える

マンダラを使い、一人ひとりが自分の考えを可視化。

02

仲間と共有する

個人のアイデアを持ち寄り、6グループで授業の方向を探る。

03

現場を見る

10月15日に三和小学校と林道を事前視察。

04

授業を磨く

現地で得た気づきを持ち帰り、本番まで計画を具体化。

05

小学校で実践する

11月28日、三和小学校で高校生自身が授業を実施。

「もう一度やりたい」から始まった、再挑戦

2025年度には、 もう一つ大きな出来事がありました。

前年度にこのプログラムへ参加した高校生数名が、 今年度も参加してくれたことです。

その背景には、 「昨年、自分が思っていたような授業ができなかった」 「もっと良い授業をしたい」 という思いがありました。

一度経験したから終わりではない。

振り返り、 もう一度挑戦する。

このプログラムが、 高校生にとって 「再チャレンジできる場所」 になり始めていることも、 5年間継続してきたからこそ生まれた変化です。

NEXT|2025年10月15日

次回はいよいよ三和地区へ。 本番の舞台となる三和小学校と林道を実際に歩き、 地域の人から三和地区や里山について話を聞きます。

自分たちが考え始めた授業アイデアと、 実際の地域・自然・学校を 重ね合わせていきます。

授業をつくることは、自分たちで考えることから始まる。

机の配置を考える。 必要な機材を準備する。 自分のやりたいことを書き出す。 仲間の考えを聞く。

この日の一つひとつの行動は、 まだ小学生への「授業」そのものではありません。

しかし、 自分で考え、 周囲を見て、 仲間と相談し、 次の行動を決めていくことこそ、 このプログラムで大切にしている学びです。

2025年度のマンガ教材探究型授業プログラムが、 ここから始まりました。

事業名: 「マンガ教材を活用した教材開発ワークショップ開催」委託業務
実施日: 2025年10月4日
実施場所: 美濃加茂市生涯学習センター
参加: 岐阜県立加茂高等学校 高校生16名
企画・伴走: 美濃加茂市/ミライクエスト
受託・運営: 田園社会イニシアティブ株式会社/ミライクエスト

次世代に原体験を。地域には知の資産を。

ミライクエストは、 行政・学校・地域とともに、 次世代が地域のリアルな課題へ関わり、 自ら考え、試し、学ぶ機会をつくります。

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