名水に触れ、森を歩き、 地域の人から課題と魅力を聞く。 そこから生まれた気づきを異業種の参加者と持ち寄り、 マンダラマトリクスと生成AIを使って 「秦野で実現できる地域ビジネス」まで形にする。 2025年10月8日・9日、 神奈川県秦野市を舞台に 「地域共創リーダー育成プログラム」を実施しました。
2024年度に始まった秦野市での地域共創研修を継続・発展させた第2回。 企業・学生・行政という異なる立場が、 地域というリアルなフィールドで学び、 対話し、生成AIも活用しながら、 地域課題を具体的な事業アイデアへつなげた2日間です。
プログラム概要
- 事業名
- 2025年度 秦野市地域共創リーダー育成プログラム
- 開催日
- 2025年10月8日・9日
- 開催場所
- 神奈川県秦野市
- 主なフィールド
- 弘法の清水、緑水庵、表丹沢エリアほか
- 主な研修会場
- 五十嵐商店、JAはだの本町支所
- 参加
- 秦野ガス株式会社、 中日本高速道路株式会社、 NEXCO中日本サービス株式会社、 二幸産業株式会社、 本田技研株式会社(ゆめるば)、 中央大学ほか
- 連携
- 神奈川県秦野市、 NEXCO中日本サービス株式会社、 田園社会イニシアティブ株式会社/ミライクエスト
- 講師・ファシリテーション
- 田園社会イニシアティブ株式会社 代表取締役 楢木隆彦、 秦野市職員ほか
- 主なテーマ
- 地域課題解決、異業種交流、 地域共創、リーダー育成、 地域ビジネス、生成AI活用
このプログラムの目的は、 地域について知識を得ることだけではありません。
地域課題と異業種交流を掛け合わせ、 参加者が普段の仕事や組織を離れて、 地域の人や異なる業種の参加者とともに 新しい価値を考えること。
そして、 地域で感じたことを アイデアだけで終わらせず、 具体的な事業の形まで考えることを目指しました。
まずは、「水のまち・秦野」を自分の身体で知る
1日目は、 小田急秦野駅からフィールドワークを開始しました。
最初に訪れたのは、 秦野を代表する湧水の一つ 「弘法の清水」。
秦野名水の歴史や、 地下に蓄えられた豊かな水資源について学びながら、 地域の魅力を自分の目で確かめていきます。

続いて緑水庵では、 秦野市の立体模型に映し出される 名水プロジェクションマッピングを見学。
目の前の湧水だけでなく、 山から地下へ、 そしてまちへとつながる 「水の流れ」を俯瞰的に理解しました。

地域の人から、魅力と課題を聞く
フィールドワークでは、 景色を見るだけではなく、 地域で活動する人や秦野市職員から 地域の魅力と課題について直接話を聞きました。
地域外から訪れる参加者にとって、 統計やWebサイトでは見えにくい 「現場では何が起きているのか」 「地域の人は何を大切にしているのか」 を知る重要な時間です。

表丹沢の自然を、五感で体験する
午後は、 秦野市が取り組む森林セラピーを体験しました。
森を歩き、 水の音を聞き、 木々の香りや空気を感じる。
地域の魅力を 言葉や資料だけで理解するのではなく、 身体を通して感じることも この研修で大切にした要素です。

写真から、自分だけの「問い」を見つける
フィールドワーク中、 参加者は自分が気になった風景やものを 写真に残しました。
研修会場へ戻った後は、 その写真を手がかりに マンダラマトリクスを作成します。
同じ秦野を体験しても、 水に注目する人、 観光に注目する人、 森林、 食、 健康、 移動、 空き家などに目を向ける人がいます。
一人ひとりの違いを持ち寄ることで、 地域を見る視点が広がっていきます。

2日目、マンダラと生成AIで地域ビジネスを考える
2日目は、 前日のフィールド体験から一歩進み、 「地域が持続するための仕組み」と 「地域を持続させる地域ビジネス」を考えました。
各チームでテーマを設定し、 マンダラマトリクスを使って 幅広くアイデアを出します。
その上で生成AIを活用し、 複数の意見やアイデアを整理・分析。 さらに対話を重ねながら、 事業プランとしてまとめていきました。

共創から生まれた、2つの地域ビジネス案
2日間の研修では、 A・Bの2チームから、 秦野の地域資源と課題を組み合わせた 異なる事業構想が生まれました。
A TEAM
HADANO STAY EXPERIENCE
「名水と自然に泊まる、癒しの町体験」をテーマに、 水・道・癒しをつなぐ滞在型観光を構想しました。
- 名水スポットを結ぶ「みち旅」
- デジタルマップやスタンプラリー
- 名水・地元食材を生かした商品開発
- 古民家を活用した宿泊
- グランピング、温泉、サウナ
- OMOTANブランドの商品開発
B TEAM
体験型観光による地域経済循環事業
観光を「見る・消費する」ものから 「地域に参加する体験」へ変え、 地域経済へ利益が循環する仕組みを構想しました。
- ハイキング × AR謎解き
- 農業・里山体験
- 古民家再生と町中滞在
- 地域人材の育成
- 若者・学生の参画
- 観光データの蓄積と分析
2つの案に共通していたこと
一方は「名水・癒し・滞在」という体験価値、 もう一方は「地域経済循環・人材・参加」という 持続可能な仕組みを重視していました。
異なる発想ですが、 両方を掛け合わせると、 「来て、体験して、消費して帰る観光」から、 「来た人が地域に関わり、次はつくる側になる観光」へ 発展させる可能性が見えてきます。
2つのアイデアを重ねると、「循環する秦野」へ
AチームとBチームのプランを重ね合わせると、 「水」「自然」「癒し」という秦野らしい体験を入口に、 滞在、食、農業、商品、地域人材、 そして次の共創までが循環する 新しい地域モデルが見えてきます。
研修後の整理では、 この考え方を 「HADANO CIRCULAR STAY ― 巡り・整い・巡り返すまち秦野 ―」 という形にも発展させました。
観光客を単なる「来訪者」で終わらせず、 地域の活動や商品づくりに参加し、 次には「つくる人」へ変わっていく。
フィールドワークから生まれた小さな気づきが、 対話とAIを通して、 地域経済や関係人口まで含む構想へ広がりました。

地域で感じたことを、事業の言葉へ変える
このプログラムの特徴は、 最初から「新規事業を考えてください」と 会議室に集まることではありません。
まず地域へ行く。 水を飲む。 森を歩く。 人の話を聞く。
そこで心が動いたものや、 違和感を感じたものを記録する。
その一人ひとりの気づきを持ち寄り、 他業種の視点と掛け合わせ、 マンダラで構造化し、 生成AIも使いながら 次の事業へと育てていきます。
AIが先に答えを出すのではなく、 人が地域で得たリアルな体験と問いが すべての出発点です。
この研修から生まれたもの
OUTPUT|形になったこと
- 秦野市を舞台にした2日間の地域共創型研修
- 弘法の清水・緑水庵・表丹沢を巡るフィールドワーク
- 地域団体・秦野市職員からの地域課題・魅力のインプット
- 森林セラピーによる地域資源の体験
- 写真を起点としたマンダラマトリクスの作成
- 異業種混成2チームによるアイデアソン
- 生成AIを活用したアイデア整理・分析
- 地域ビジネスの事業プラン作成
- Aチーム「HADANO STAY EXPERIENCE」の構想
- Bチーム「体験型観光による地域経済循環事業」の構想
- 秦野市職員を交えた発表・ディスカッション
OUTCOME|研修として生まれた学び
- 地域課題を資料ではなく、フィールドで体感する機会となった
- 同じ地域でも業種や立場によって異なる気づきが生まれることを共有した
- 地域資源と自社の専門性・事業を掛け合わせて考える機会となった
- 異業種の参加者と一つの事業案を共創する経験につながった
- マンダラと生成AIを組み合わせ、集合知を具体的な企画へ整理した
- 地域の「魅力」と「課題」を分けずに、事業の可能性として捉え直した
IMPACT|この実践が示した可能性
- 企業研修と地域課題解決を両立する地域共創型人材育成モデル
- 行政・企業・学生が同じ地域課題を考える官民学共創の場づくり
- 地域資源を起点とした新規事業・地域ビジネス創出への発展
- フィールドで得た現場知をAIで構造化し、企画へつなげるモデル
- 企業人材育成と地域経済循環をつなぐ研修プログラムへの発展
- 参加者が研修終了後も地域との関係を継続する関係人口形成への可能性
白川郷から秦野へ。地域共創モデルが別の地域へ広がる
秦野市での地域共創リーダー育成プログラムの背景には、 ミライクエストが白川郷で実施してきた 地域フィールド型研修があります。
白川郷では、 地域を歩き、 文化や暮らしに触れ、 一人ひとりの気づきをマンダラへ残し、 異なる参加者同士で対話する研修を重ねてきました。
その研修に秦野市の職員が参加したことをきっかけの一つとして、 秦野という新しいフィールドで、 地域の特性に合わせたプログラムへ展開していきました。
2024年の第一回を経て、 2025年にはさらに生成AIと地域ビジネスづくりを組み込み、 「地域を知る」から 「地域と一緒に事業を考える」へと進化しています。
秦野市というフィールド
名水、表丹沢、森林、農、食、 観光、健康、交通など、 多様な地域資源と課題が存在する リアルな学びと共創のフィールドです。
ミライクエスト
フィールド体験、対話、マンダラ、 生成AIを組み合わせ、 一人ひとりの気づきを 地域課題解決や事業アイデアへつなぐ 共創プロセスを設計・伴走しました。
地域を歩くことから、事業は始められる
目の前にある水。 森の空気。 地域で暮らす人の言葉。 参加者が撮った一枚の写真。
一見すると小さな気づきでも、 異なる人と持ち寄り、 対話し、 AIも使って構造化していくと、 新しい地域ビジネスの種になることがあります。
秦野市地域共創リーダー育成プログラムは、 地域を学ぶ研修であると同時に、 人と地域と企業の新しい関係をつくる 共創の実験でもあります。
開催日: 2025年10月8日・9日
開催場所: 神奈川県秦野市
参加: 秦野ガス株式会社、 中日本高速道路株式会社、 NEXCO中日本サービス株式会社、 二幸産業株式会社、 本田技研株式会社(ゆめるば)、 中央大学ほか
連携: 神奈川県秦野市、 NEXCO中日本サービス株式会社、 田園社会イニシアティブ株式会社/ミライクエスト
地域を、企業人材と新しい事業を育てるフィールドへ
ミライクエストでは、 地域のリアルなフィールド、 異業種の対話、 AIを組み合わせ、 人材育成と地域課題解決、 新しい事業づくりをつなぐ 共創型プログラムを設計しています。
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