医療・ウェルビーイング

地域の未来の医療を救うのは君たちだ|初開催・オープンホスピタル2023サマースペシャル

医師、看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、 薬剤師、リハビリテーション専門職、臨床工学技士など、 医療の最前線で働く専門職から直接学ぶ一日。 2023年8月26日、中部国際医療センターで 初めての「オープンホスピタル夏季スペシャル」が開催され、 小中学生63名、高校生82名の計145名が参加しました。

本記事では、中部国際医療センターが主催する 次世代医療人材育成プログラムを、 協力・伴走支援を担うミライクエストの視点から紹介します。

中部国際医療センター主催|ミライクエスト協力・伴走支援プロジェクト

プロジェクト概要

事業名
2023 オープンホスピタル 夏季スペシャル
開催日
2023年8月26日
開催場所
中部国際医療センター
主催
中部国際医療センター
協力・伴走支援
ミライクエスト
一般コース
小学5・6年生、中学生対象/当日参加63名
高校生コース
当日参加82名 (ドクター志望19名・専門技師志望40名・ナース23名)
当日参加者
合計145名
一般コース
7種類の医療体験をローテーション
高校生向け
ドクター、ナース、診療放射線、臨床検査、 薬剤、リハビリテーション、臨床工学、 管理栄養などの専門領域
後援
岐阜県、美濃加茂市、可児市、 加茂医師会、可児医師会
145名 当日参加者
63名 小中学生・一般コース
82名 高校生・専門/ナースコース

2023年8月26日、 中部国際医療センターを舞台に、 初めての「オープンホスピタル夏季スペシャル」が 開催されました。

この日は、 小学5・6年生と中学生を対象とした 「一般コース」と、 医療職への関心を持つ高校生を対象とした 専門性の高いコースを同日に実施。

その後のオープンホスピタルでは、 小中学生と高校生のプログラムは それぞれ別日に開催される形へ発展していきますが、 この初回は、世代の異なる子どもたちと学生が 一つの病院へ集まる合同開催でした。

「君が未来の医療を救う!」から始まった一日

プログラムのスタートでは、 中部国際医療センター副病院長であり、 オープンホスピタルの「校長」を務める 山田実貴人先生から、 なぜオープンホスピタルを開催するのかについて 子どもたちと高校生へ話がありました。

地域医療を未来へつないでいくためには、 次の世代が医療の仕事を知り、 興味を持ち、 将来の進路として考える機会を 地域の中につくっていくことが重要です。

「君が未来の医療を救う!」

そのメッセージを受け取った参加者は、 それぞれのコースへ分かれ、 本物の医療現場へ向かいました。

オープンホスピタルの冒頭で参加者へ講義を行う山田実貴人先生
オープンホスピタルの冒頭では、山田実貴人先生から地域医療の未来と次世代の医療人材の必要性についてメッセージが送られました。

初回サマースペシャルの特徴

  • 小中学生と高校生が同じ日に病院へ集まる合同開催
  • 見るだけではなく、医療機器や技術を実際に体験
  • 医師・看護師・医療技術職から直接学ぶ
  • 高校生は興味のある専門職を深く知る
  • 進学や資格、仕事について専門職へ直接相談できる
  • 地域の医療人材不足という社会課題を知る

小中学生は、7つの医療体験を巡る

一般コースには、 小学5・6年生と中学生63名が参加しました。

子どもたちはグループに分かれ、 看護師や医療技術職、研修医などから 直接指導を受けながら、 7つの医療体験をローテーションしました。

オープンホスピタル一般コースで医療体験に取り組む子どもたち
専門職の指導を受けながら、医療の仕事を自分の目で見て、自分の手で体験する子どもたち。会場の各所で真剣な表情が見られました。

1 手洗い、ちゃんとできてますか?

清潔な生活や感染防止の基本となる 正しい手洗いについて、 看護師から直接学びました。

2 インスタ映えするユニフォームはどれ?

ドクターやナースのユニフォームに実際に袖を通し、 医療職を身近に感じる体験を行いました。

3 ミクロの世界を見てみよう

顕微鏡を使って、 肉眼では見ることのできない ミクロの世界を観察しました。

4 3D画像解析セミナー

医療現場で使われる画像技術に触れ、 体の中を画像で捉える 最先端医療の一端を体験しました。

5 リハビリって何?

病気やけがによって弱くなった身体の機能を もう一度取り戻すための リハビリテーションについて体験しました。

6 心臓マッサージできますか?

人が突然倒れたとき、 自分にもできる救命行動があります。 人形を使いながら心臓マッサージなどを学びました。

7 夏休みの「自由研究」に。

心臓や脳などの実際の医療画像を見ながら、 人の身体の構造について考えました。 体験を家庭での学びへつなげるプログラムです。

心肺蘇生の体験に取り組む参加者
人形を使った心肺蘇生の体験。専門職の指導を受けながら、命を守るために自分にもできる行動を学びました。
顕微鏡を使って観察する子どもたち
顕微鏡をのぞき、普段は見ることのできないミクロの世界を観察しました。
車椅子体験に取り組む子どもたち
実際に車椅子を操作することで、患者側の視点や移動を支えるための工夫に触れました。

高校生は、興味のある医療職を深く知る

高校生向けプログラムには、 合計82名が参加しました。

当日の記録では、 ドクター志望19名、 専門技師志望40名、 ナースコース23名が参加しています。

小中学生の一般コースが 医療の仕事を幅広く知ることを目的としているのに対し、 高校生向けのプログラムでは、 自分が関心を持つ職種をより深く知ることを重視しました。

医療職になるために必要な学習、 大学や専門学校などへの進学、 国家資格、 実際の仕事内容、 仕事のやりがいや大変さまで、 現場の専門職から直接話を聞くことができます。

ドクターコース

医師になるまでの学習、受験、国家試験、 研修などについて学び、 最先端医療技術にも触れました。

ナースコース

車椅子体験や現役看護師との対話、 院内見学などを通して、 看護師の仕事と患者への関わり方を考えました。

診療放射線技師

3D画像診断や放射線治療などについて学び、 進学についても専門職から直接アドバイスを受けました。

臨床検査技師

臨床検査技師の仕事内容や活躍する領域、 資格取得のための進学について学びました。

薬剤師

内服薬や注射薬の調剤、 薬の配合、服薬指導など、 病院薬剤師の仕事を体験しました。

理学療法・作業療法・言語聴覚療法

それぞれの専門領域の違いを学びながら、 進路についても直接相談しました。

臨床工学技士

病院内で使われるさまざまな医療機器に触れながら、 臨床工学技士の仕事、進学、国家資格、 就職について学びました。

管理栄養士

食事や栄養と健康の関係について学び、 管理栄養士を目指すための進学についても相談しました。

3D医療画像を見ながら説明を受ける高校生
医療画像を見ながら、体の状態を画像から読み取る技術と、それを支える専門職の仕事に触れました。
医師や医療技術職から説明を受ける参加者
医療機器や専門技術について、現場で働く医療従事者から直接説明を受けました。
最先端の医療設備を見学する高校生
普段は見ることのできない医療設備を間近で見学し、最先端医療を支える技術について学びました。

「仕事を知る」だけではなく、「自分の未来」を考える

この日の会場で印象的だったのは、 子どもたちや高校生の 真剣な眼差しでした。

パンフレットやインターネットで 医療職について調べることはできます。

しかし、 実際の病院へ入り、 本物の医療機器を見て、 現場で働く人から直接話を聞き、 自分の手で体験することでしか 得られないものがあります。

「この仕事は、思っていたより面白い。」

「自分も、この仕事に就いてみたい。」

「そのためには、何を勉強すればいいのだろう。」

そうした新しい問いが生まれることこそ、 オープンホスピタルが大切にしている 原体験の一つです。

終了後も続いた、学生たちの問い

プログラム終了後、 多くの参加者が帰路につく中で、 会場に残って医療技師の方々へ 質問を続ける高校生の姿がありました。

仕事内容、 進学、 資格、 実際に働いて感じること。

体験によって答えを得るだけではなく、 体験したからこそ、 さらに知りたいことが生まれる。

オープンホスピタルが、 単なる職業紹介イベントではなく、 一人ひとりの進路や未来につながる 探究の機会になり得ることを感じさせる場面でした。

オープンホスピタル終了後に医療技師へ質問する高校生
プログラム終了後も会場に残り、医療技師の方々へ熱心に質問する高校生。体験をきっかけに、仕事内容や進路についてさらに知ろうとする姿が見られました。

アンケートから見えた、体験による変化

開催後にまとめられた参加者アンケートからも、 オープンホスピタルが 子どもたちや高校生の意識に 大きな変化を生んだことが分かります。

参加者アンケートから見えたこと

90.7% 「かなり満足」と回答
58.6% 医療従事者不足を参加して初めて知った
70.0% 「夢や目標に近づいた・勉強になった」最高評価

満足度では、 90.7%が「かなり満足」、 5.6%が「満足」と回答しました。

また、 全国で医療従事者が不足していることについて、 58.6%が 「知らなかったが参加して知ることができた」 と回答しています。

「この地域で医療に関わりたい、 医療従事者になりたいと思いましたか」 という5段階評価では、 57.1%が最高評価の 「5・絶対になりたい」と回答しました。

さらに、 「参加してあなたの夢や目標に近づきましたか、 勉強になりましたか」という問いでは、 70.0%が最高評価の「5」、 22.9%が「4」と回答しました。

※数値は、当時作成された「オープンホスピタル サマースペシャル レポート」に掲載された参加者アンケート結果をもとにしています。

参加者の声

実際に医療の現場を見ることができ、 医療関係の仕事に就きたいという気持ちが さらに強くなったという声が寄せられました。

地域で働く医療従事者の姿を見て、 「自分もこの一員になりたい」と感じた 高校生もいました。

臨床検査技師について、 当初イメージしていた以上に 幅広い領域で活躍する仕事だと知り、 進路への関心が深まったという声もありました。

一般コースの参加者からは、 心臓マッサージや手洗い、 顕微鏡、画像解析など、 身近なことから専門的な内容まで 幅広く学ぶことができたという感想が寄せられました。

ナースコースでは、 車椅子体験を通して 「安全・安心・尊重」の大切さを実感し、 看護師になりたいという気持ちが より強くなったという声がありました。

この活動から生まれたもの

OUTPUT|形になった成果

  • 初めてのオープンホスピタル夏季スペシャルを開催
  • 小中学生63名、高校生82名、計145名が参加
  • 小学5・6年生と中学生を対象に7種類の医療体験を実施
  • 高校生向けに職種別の専門プログラムを実施
  • 医師、看護師、医療技術職が参加者へ直接指導
  • 本物の医療機器や医療画像を使った体験を実施
  • 心肺蘇生、顕微鏡、画像解析などの実践体験を実施
  • 高校生に進学・国家資格・仕事内容を相談できる機会を提供
  • 普段は見ることのできない病院施設や医療設備を見学
  • 参加者アンケートを通して体験後の意識変化を把握

OUTCOME|参加者に生まれた変化

  • 90.7%がオープンホスピタルに「かなり満足」と回答
  • 医療従事者不足という地域・社会課題への理解が広がった
  • 医療職を自分の将来の選択肢として考える機会になった
  • 医療職を目指す気持ちが強まった参加者が生まれた
  • 自分の地元で医療に関わりたいという意識が生まれた
  • 医師・看護師以外の多様な専門職への理解が深まった
  • 進学や資格取得に向けて勉強する動機につながった
  • 体験後も専門職へ質問を続けるなど、新しい問いが生まれた

IMPACT|これから地域に育てていく可能性

  • 地域医療を担う次世代人材を地域の中で育てる仕組みの形成
  • 小中学生から高校生へ続く段階的な医療キャリア教育への発展
  • 病院を地域に開かれた学びの場として活用するモデルの形成
  • 医療従事者不足という地域課題と次世代育成をつなぐ取り組みへの発展
  • 医師・看護師・専門技術職との継続的な交流機会の形成
  • 子どもたちの好奇心や問いを進路へつなぐ地域教育モデルへの発展
  • 中部国際医療センターを地域の子どもたちが身近に感じる機会の拡大
  • 将来、地域医療へ戻ってくる人材を長期的に育てる可能性

医療人材不足という課題を、次世代育成から考える

オープンホスピタルは、 子どもたちに楽しい医療体験を提供するだけの イベントではありません。

背景には、 地域医療を将来誰が支えていくのかという 大きな問いがあります。

医療職について知る。

本物の現場に触れる。

そこで働く人と話す。

「自分もやってみたい」と感じる。

その小さな原体験が、 何年後かの進学や職業選択につながるかもしれません。

初めて開催された2023年夏季スペシャルは、 オープンホスピタルが 地域医療と次世代をつなぐ取り組みとして 大きな可能性を持っていることを 実感する一日となりました。

中部国際医療センター

病院が持つ設備、医療技術、 そして医師・看護師・医療技術職の専門性を 次世代へ開き、 本物の医療現場で学ぶ機会をつくります。

ミライクエスト

次世代と医療現場をつなぎ、 子どもたちや学生の興味や問いが 原体験と将来の進路につながるよう、 プログラムの実施を協力・伴走支援します。

地域の未来の医療を救うのは、次の世代かもしれない。

病院へ入り、本物の医療に触れ、 医療を支える人と直接話す。 その原体験から、 「もっと知りたい」 「この仕事をしてみたい」 という問いが生まれます。 2023年8月26日は、 オープンホスピタルの可能性が 大きく広がった一日となりました。

主催: 中部国際医療センター
協力・伴走支援: ミライクエスト
開催日: 2023年8月26日
開催場所: 中部国際医療センター
一般コース: 小学5・6年生、中学生/当日参加63名
高校生コース: 当日参加82名 (ドクター志望19名・専門技師志望40名・ナース23名)
当日参加者: 合計145名
後援: 岐阜県、美濃加茂市、可児市、 加茂医師会、可児医師会

本物の医療現場を、次世代の原体験へ

中部国際医療センターとミライクエストは、 医療の仕事に触れ、 現場で働く人と出会う機会を通して、 次世代と地域医療の未来をつないでいます。

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