医療・ウェルビーイング

患者になる。看護師になる。両方を体験して看護を考える|初開催オープンホスピタル・ナースコース

車椅子に乗ってみる。 今度は、自分が車椅子を押してみる。 同じ体験でも、 患者側と看護する側では見えるものが変わります。 2023年6月17日、 中部国際医療センターで、 はじめてのオープンホスピタル「ナースコース」が開催されました。

現役看護師とともに、 患者の気持ち、安心、安全、尊重、 コミュニケーションについて考え、 体験から生まれた気づきを言葉にして共有する。 最後には進路や看護師の仕事について直接質問する、 体験と対話を組み合わせた高校生向けプログラムです。

中部国際医療センター主催|ミライクエスト協力・伴走支援プロジェクト

プロジェクト概要

事業名
オープンホスピタル ナースコース
開催日
2023年6月17日
開催場所
中部国際医療センター
対象
高校生
主催
中部国際医療センター
協力・伴走支援
ミライクエスト
プログラムの特徴
看護師単独コースとして実施。 車椅子を使った患者役・看護する側の両方の体験、 看護師4名による4グループでの対話、 気づきの共有、 現役看護師への質問タイムを通じて、 看護の仕事を深く考える構成で行われました。
ミライクエストの役割
参加者募集、 申込管理、 当日運営支援、 参加者の問いと学びを医療現場へつなぐ伴走支援
事後アンケート
18件

現在のオープンホスピタルでは、 看護だけでなく、 医師、薬剤師、診療放射線技師、 臨床検査技師、リハビリテーション専門職など、 多様な医療職へ体験の機会が広がっています。

その出発点の一つとなったのが、 2023年6月17日に実施された 初めての「ナースコース」です。

この日のテーマは、 看護の仕事について説明を聞くことだけではありませんでした。

自ら患者の立場を体験し、 看護する立場も体験する。 そこで感じたことを自分の言葉にし、 現役看護師や仲間と考える。

「看護とは何だろう」という問いを、 自分自身の体験から考えるプログラムとして始まりました。

患者役の高校生が車椅子に乗り、別の高校生が押している様子
患者役と看護する側の両方を体験。車椅子で移動するときに感じる不安や、声かけ・安全への配慮について考えました。

はじめてのオープンホスピタルは、看護を深く体験する一日に

当日はまず、 参加者全体に向けて、 看護師からプログラムの流れや体験について説明が行われました。

その後、 参加者は4つのグループに分かれ、 4人の看護師がそれぞれのグループを担当しながら、 体験と対話を進めました。

少人数で進めることで、 一人ひとりが体験したことを話しやすくなり、 看護師にも質問しやすい環境が生まれます。

看護師が参加者全体に向けて説明している様子
プログラムのはじめに、現役看護師から当日の体験や看護の仕事について説明を受けました。
看護師が少人数の高校生グループに説明している様子
少人数のグループに分かれ、現役看護師から車椅子体験のポイントや患者への接し方について説明を受けました。

ナースコースの特徴

  • 看護師の仕事に焦点を当てた単独コースとして実施
  • 車椅子を使って患者役と看護する側の両方を体験
  • 感じたことを付箋に書き出し、看護師と一緒に共有
  • 現役看護師への質問タイムを通して、進路や学びを具体化

患者役と看護する側の両方を体験する

ナースコースの中心となったのは、 車椅子を使った体験です。

参加者は、 患者役として車椅子に乗る側と、 看護する側として車椅子を押す側の両方を交代で体験しました。

実際に体験してみると、 押す速度、 曲がるときの感覚、 自分から見えない方向へ進むときの不安など、 普段は意識しない多くのことに気づきます。

「どんな声かけがあると安心できるだろう」 「安全に移動するために何を確認すべきだろう」 「相手の気持ちを尊重するとはどういうことだろう」。

看護を知識として学ぶのではなく、 自分の身体で患者側と看護する側の両方を経験することで、 看護の意味を考えます。

高校生同士で車椅子を押して移動を体験している様子
高校生同士で患者役と看護する側を交代しながら、実際に車椅子で移動する体験を行いました。

車椅子体験から考えたこと

  • 患者から見えない方向へ進むとき、どのような不安を感じるのか
  • 車椅子を押す速度は、患者にとって安心できるものになっているか
  • 動き始める前に、どのような声かけがあると安心できるか
  • 安全に移動するためには何を確認する必要があるか
  • 患者の意思や気持ちをどのように尊重するか
  • 相手とのコミュニケーションをどのように取るか

体験したことを言葉にし、看護師とともに考える

このプログラムの大きな特徴は、 車椅子を体験して終わりではなかったことです。

参加者はまず、 体験の中で感じたことや気づいたことを、 一人ひとり付箋に書き出しました。

その後、 看護師とともにグループで共有し、 患者の立場から見えたこと、 看護する側として必要だと思ったことを対話していきました。

高校生が付箋に車椅子体験で感じたことを書いている様子
車椅子体験で感じたことや気づいたことを、一人ひとり付箋に書き出します。

同じ体験をしていても、 人によって感じることは異なります。

自分にはなかった視点を知ることも、 グループで共有する大きな意味です。

現役看護師と高校生が車椅子体験の気づきについて対話している様子
書き出した気づきをもとに、現役看護師と高校生が「患者の立場」「看護する側の立場」について対話しました。
看護師がホワイトボードに付箋を貼りながら高校生と気づきを共有している様子
参加者から出た気づきをホワイトボードに集め、看護師とともにグループで共有。異なる視点を重ねながら看護について考えました。

体験で終わらせない学びの設計

ナースコースでは、 「体験する → 感じる → 書き出す → 共有する → 看護師と対話する」 という流れを通して、 看護を自分自身の経験から考える時間がつくられました。

「看護師になるには?」を、現役ナースに直接聞く

プログラムの後半には、 現役看護師への質問タイムも設けられました。

看護師を目指したきっかけ。 高校時代の勉強。 大学や専門学校。 資格や実習。 仕事のやりがい。 大変なこと。

高校生にとって、 インターネットや進路資料だけでは分からないことを、 実際に働く看護師へ直接質問できる時間です。

少人数だからこそ、 「本当は聞いてみたかったこと」を率直に聞くことができ、 活発な対話が生まれました。

現役看護師を囲んで高校生が進路や看護の仕事について質問している様子
現役看護師を囲んだ質問タイム。進路や学び、看護師の仕事など、高校生が聞きたかったことを直接質問しました。

初回から、アンケート回答18件すべてが「かなり満足」

2023年6月17日 事後アンケート

18件 アンケート回答数
18件 「かなり満足」
100% 「かなり満足」の割合

2023年6月17日の事後アンケートでは、 回答した18名全員が オープンホスピタルについて 「かなり満足」と回答しました。

自由記述では、 車椅子体験から患者の立場を考えたこと、 安心・安全・尊重についての気づき、 現役看護師との対話、 そして看護師を目指す気持ちの変化などが語られています。

※2023年6月17日実施分の事後アンケート18件を集計。

参加者の声から見えたこと

車椅子を押す側と乗る側の両方を体験したことで、 実際にやってみなければ分からないことに気づき、 看護師になりたいという気持ちがさらに強くなったという声がありました。

車椅子体験を通して、 安全や安心だけでなく、 患者を尊重し、寄り添うことの大切さを学んだという声が寄せられました。

自分の気づきを付箋に書き、 他の参加者と共有したことで、 自分にはなかった考え方や視点を知ることができたという回答もありました。

現役看護師から直接話を聞くことで、 看護師という仕事への理解が深まり、 自分の夢がより具体的になったという声も生まれています。

体験のあとに生まれた「もっと知りたい」

アンケートには、 今回の体験で終わるのではなく、 次に知りたいこと、 体験してみたいことも寄せられました。

  • 産婦人科を見学してみたい
  • 助産師の仕事について話を聞いてみたい
  • MRIなどの医療機器を見てみたい
  • 車椅子以外の看護体験もしてみたい
  • 看護師の一日の仕事をもっと詳しく知りたい
  • 現役看護師と話す時間をもっと増やしてほしい

一つの体験によって疑問がなくなるのではなく、 「次はこれを知りたい」 「もっと深く知りたい」という 新しい問いが生まれています。

こうした声を受け取りながら、 オープンホスピタルはその後、 より多様な医療職や体験へと広がっていきました。

当日のプログラム構成

1 全体説明・導入

看護師の仕事や当日の体験内容を共有し、 参加者がこれから何を体験し、 何を考えるのかを確認しました。

2 グループごとの説明

4人の看護師が4グループを担当し、 車椅子体験のポイントや安全面、 患者への接し方について説明しました。

3 車椅子体験

患者役と看護する側を交代で体験し、 患者の立場から安心・安全や声かけについて考えました。

4 振り返り・気づきの記入

体験の中で感じたことを付箋に書き出し、 自分自身の学びを整理しました。

5 グループディスカッション

看護師とともに気づきを共有し、 患者に寄り添うことや、 看護に必要な視点について話し合いました。

6 現役看護師への質問タイム

進路、学び、 看護師を目指したきっかけ、 仕事の魅力や大変さなどについて、 高校生が直接質問しました。

この活動から生まれたもの

OUTPUT|形になった成果

  • 中部国際医療センターで初めてのオープンホスピタル・ナースコースを実施
  • 高校生が患者側と看護側の双方を経験する車椅子体験を実施
  • 4人の現役看護師が4グループに入り、高校生と少人数で対話
  • 体験から得た気づきを付箋に書き出し、グループで共有
  • 患者の立場と看護する側の立場についてのグループディスカッション
  • 現役看護師へ進路や仕事内容を直接質問する交流機会を実施
  • 事後アンケート18件を回収
  • 次に知りたいこと、体験したいことについての声を収集

OUTCOME|高校生に生まれた変化

  • アンケート回答18件すべてが「かなり満足」と回答
  • 患者側を体験することで、患者が感じる不安や安心について考えた
  • 看護では安全・安心・尊重が重要であることへの気づきが生まれた
  • 患者に寄り添うことの意味を体験と対話から考えた
  • 他の参加者の意見から、自分にはなかった視点に気づいた
  • 看護師という仕事への理解と関心が深まった
  • 看護師を目指す気持ちが強まったという声が生まれた
  • 進学や将来の進路を具体的に考える機会となった

IMPACT|その後につながった可能性

  • 病院を次世代のキャリア教育・探究の場として開くモデルの形成
  • 職業説明だけではなく、体験と対話を組み合わせた医療人材育成プログラムへの発展
  • 高校生が医療職を将来の進路として具体的に考える機会の創出
  • 参加者の「もっと知りたい」を次のプログラム改善へ生かす循環の形成
  • 看護職から、より多様な医療専門職へ体験を広げていく土台づくり
  • 地域医療と次世代が継続的に出会う仕組みへの発展

「体験」を、「自分の未来を考える時間」へ

オープンホスピタルの主催者は、 中部国際医療センター です。

現役看護師が、 看護の専門性と実際の経験を生かして、 高校生へ直接、 看護の仕事や患者との関わりを伝えました。

ミライクエストは、 協力・伴走支援として、 高校生と病院をつなぎ、 体験と対話を通して 将来を考える機会づくりを支えています。

中部国際医療センター

看護の専門性と現役看護師の経験を生かし、 高校生が看護をリアルに体験し、 直接対話できる学びの場を設計・実施しました。

ミライクエスト

参加者募集や運営支援を行いながら、 高校生の関心や問いを医療現場につなぎ、 体験を進路や次の学びへつなげる伴走支援を担いました。

体験し、言葉にし、対話する

車椅子を押してみる。 患者として乗ってみる。 感じたことを書き出す。 仲間の気づきを聞く。 そして、現役看護師と話す。

一つひとつは小さな体験でも、 自分の身体で感じ、 自分の言葉で考え、 他者と対話することで、 看護という仕事への理解は深まっていきます。

2023年6月17日の初開催から、 オープンホスピタルは、 次世代が本物の医療に触れ、 自分の問いと未来を考える場として歩み始めました。

事業名: オープンホスピタル ナースコース
主催: 中部国際医療センター
協力・伴走支援: ミライクエスト
開催日: 2023年6月17日
開催場所: 中部国際医療センター
対象: 高校生
主な内容: 看護師による説明、 車椅子体験、 振り返り、 グループディスカッション、 現役看護師への質問タイム
事後アンケート: 18件

本物の医療に触れる原体験を、次世代へ

中部国際医療センターとミライクエストは、 医療の現場と次世代をつなぎ、 体験から生まれる問いを、 学びと未来の進路へつなげています。

中部国際医療センター公式サイトへ

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