企業・地域共創

白川郷の「結」から、持続可能な地域と共創を学ぶ|地域フィールド型SDGs研修

世界遺産・白川郷を歩き、 合掌造りの暮らしに触れ、 地域に受け継がれてきた「結」の知恵を学ぶ。 2023年6月6日・7日、 白川郷世界遺産エリアとトヨタ白川郷自然學校を舞台に、 地域の持続性とSDGs、 そして異なる立場の人が力を持ち寄る 「共創」について考えるフィールド研修を実施しました。

白川郷という地域そのものを学びのフィールドにし、 現地での体験、地域の方からの講話、 デジタルマンダラを活用した記録と対話、 グループワークを組み合わせながら、 自分たちの仕事や行動へつながる問いを考えた2日間です。

地域フィールド型研修|SDGs・地域共創・人材育成

研修概要

研修テーマ
白川村の「結」からSDGsを学ぶ研修
開催日
2023年6月6日〜7日
フィールド
白川郷世界遺産エリア
宿泊・研修会場
トヨタ白川郷自然學校
研修テーマ
地域の持続性、SDGs、人材育成、 パートナーシップ、地域共創
主なプログラム
白川郷散策、地域の方による講話、 デジタルマンダラ、個人ワーク、 グループワーク、アイデア共有、 ネクストアクション
講師
田園社会イニシアティブ株式会社 楢木隆彦
NPO法人白川郷自然共生フォーラム 山田俊行氏
白川郷荻町集落の自然環境を守る会 尾崎達也氏
企画・運営協力
田園社会イニシアティブ株式会社/ミライクエスト
2日間 白川郷でのフィールド研修
REAL × DIALOGUE 現地体験と対話を組み合わせた学び
「結」 地域の持続性を考えるキーワード

この研修で大切にしたのは、 SDGsを言葉や知識だけで理解するのではなく、 実際の地域へ入り、 そこで暮らす人や文化、歴史、自然、 そして地域が抱える課題に触れることでした。

白川郷には、 世界文化遺産として知られる合掌造りの景観だけでなく、 厳しい自然環境の中で暮らしを支えてきた 地域の知恵や人と人とのつながりがあります。

その象徴の一つが、 地域で互いに力を出し合う 「結」という考え方です。

白川郷の合掌造り家屋
世界遺産・白川郷。合掌造りの建物や暮らしの風景そのものを、地域の持続性を考える教材として捉えます。

まずは、白川郷を自分の足で歩く

1日目は、 白川郷の荻町合掌造り集落を歩くところから始まりました。

参加者に与えられたテーマは、 とてもシンプルです。

「自分が気になったものを撮影する」

有名な観光スポットを探すのではなく、 自分自身が「なぜか気になる」 「面白い」 「これは何だろう」と感じたものへ目を向けます。

合掌造りの家。 茅葺き屋根。 水路。 暮らしの道具。 集落の風景。 地域の人の営み。

同じ場所を歩いていても、 人によって目に留まるものは異なります。

そこで生まれた気づきを写真とともに記録し、 当時ミライクエストが研修で活用していた 「デジタルマンダラ」へ蓄積していきました。

観光地としてではなく、「地域」として見る

白川郷は、 国内外から多くの人が訪れる世界的な観光地です。

しかし、 そこで実際に暮らす人の立場から見ると、 観光だけでは見えないさまざまなテーマがあります。

景観や文化をどのように守るのか。 地域の暮らしをどう継続していくのか。 茅葺きなどの技術を誰が受け継ぐのか。 地域外から来る人とどのような関係をつくるのか。

現地を歩いて感じた「魅力」と「課題」を持ち寄り、 参加者同士で共有することで、 一人では気づかなかった視点が重なっていきます。

白川郷研修で参加者がグループワークを行う様子
現地で得た気づきや写真を持ち寄り、白川郷の魅力と課題についてグループで対話しました。

体験から問いへ。問いから対話へ。

この研修は、 講師の話を聞くだけの座学ではありません。

現地での体験を出発点に、 一人ひとりの気づきを持ち寄り、 それを他者の視点と重ねながら 次の問いへ進めていく構成です。

01 触れる FIELD EXPERIENCE
02 気づく NOTICE
03 問いを持つ QUESTION
04 対話する DIALOGUE
05 次へつなぐ ACTION

地域に受け継がれる「結」と、技術の継承

研修では、 白川郷で暮らし、 地域の文化や自然環境に関わる方々からも 直接話を伺いました。

地域の持続性を考えるとき、 建物や景観を残すだけでは十分ではありません。

それを支える技術、 人、 経験、 暮らし、 そして地域で培われてきた関係性も 次の世代へ受け継いでいく必要があります。

白川郷研修で茅葺き技術の継承について講話を聞く様子
茅葺きなど地域に受け継がれてきた技術や、その継承に向けた取り組みについて学びました。

白川郷の「結」は、 単に昔から続いてきた慣習として捉えるものではありません。

一人ではできないことを、 人と人が力を持ち寄ることで実現する。

その考え方は、 現代の企業や地域における パートナーシップや共創にも 通じるものがあります。

2日目は、「地域の継続性・持続性」を考える

2日目は、 1日目のフィールド体験を振り返りながら、 地域の持続性をさらに掘り下げました。

NPO法人白川郷自然共生フォーラムの 山田俊行氏からは、 移住者の立場も踏まえながら、 村の継続性・持続性についての講話が行われました。

白川郷研修2日目の講話の様子
地域の継続性や持続性について、現場に関わる方の視点から学びました。

地域について外から考えるだけではなく、 実際にその地域へ入り、 暮らす人の言葉に触れることで、 「持続可能な地域とは何か」という問いが より具体的なものになっていきます。

自分にとっての「結」を言葉にする

研修の後半では、 参加者それぞれが 白川郷での体験を振り返りながら、 自分にとっての「結」とは何かを考えました。

まず個人で言葉にし、 それをグループの中で共有します。

仕事も、 経験も、 立場も異なる人たちが 同じ問いについて話すことで、 「結」という言葉にさまざまな意味が重なっていきます。

「結」から考えたこと

  • 一人ではできないことを、異なる人と力を合わせて実現すること
  • 地域にある知恵や経験を、次の世代へ受け継ぐこと
  • 地域の人と外から関わる人が、それぞれの強みを持ち寄ること
  • 企業・地域・行政・次世代など、立場を越えて関係をつくること
  • 地域の課題を、誰か一人の課題にしないこと
白川郷研修で参加者がグループごとに対話する様子
参加者それぞれの経験や視点を持ち寄り、「結」や地域との関わりについて対話しました。

地域の課題と、自分たちの仕事を掛け合わせる

この研修が目指したのは、 白川郷について詳しくなることだけではありません。

地域で見つけた課題や可能性と、 自分たちが持つ技術、 サービス、 専門性、 ネットワークなどを掛け合わせ、 「自分たちなら何ができるだろうか」と考えることです。

事前には、 自社のサステナビリティに関する情報を読み、 気になったキーワードを整理する課題も設定されていました。

企業が掲げる方針と、 地域のリアルな課題を 同じ場で考えることによって、 SDGsを抽象的な目標ではなく、 自分たちの仕事に引き寄せて考える研修としました。

2日間の主な研修プログラム

01 白川郷フィールドワーク

荻町合掌造り集落を歩きながら、 自分が気になったものを写真に記録。 和田家なども見学し、 観光とは異なる視点から地域を観察しました。

02 地域の方から学ぶ

地域の自然環境や暮らし、 合掌造りや茅葺き文化、 地域を維持していくための取り組みなどについて 現場の方から直接話を伺いました。

03 デジタルマンダラによる気づきの共有

現地で撮影した写真や気づきを デジタルマンダラへ記録し、 参加者同士で共有しました。

04 白川郷の「魅力と課題」を考える

一人ひとりの気づきを持ち寄り、 グループで白川郷の魅力と課題を整理。 異なる視点を重ねながら考察を深めました。

05 「結」を言語化する

2日間の体験を踏まえ、 自分にとっての「結」を考え、 個人・グループで共有しました。

06 ネクストアクション

研修を学びだけで終わらせず、 自分が次に取り組みたいことを言葉にして、 2日間を締めくくりました。

この研修から生まれたもの

OUTPUT|形になったこと

  • 白川郷世界遺産エリアを活用した2日間のフィールド研修
  • 合掌造り集落を歩きながら地域を観察するフィールドワーク
  • 写真と気づきをデジタルマンダラへ記録・共有
  • 地域の魅力と課題をテーマとしたグループワーク
  • 地域に関わる方からの講話
  • 地域の継続性・持続性を考える学習機会
  • 「結」をテーマとした個人ワーク・グループワーク
  • 参加者それぞれによるネクストアクションの言語化

OUTCOME|研修として生まれた学び

  • SDGsを地域の暮らしや文化と結びつけて考える機会となった
  • 地域課題を現地で観察し、自ら問いを見つけるプロセスを体験した
  • 同じ地域を見ても、人によって異なる気づきが生まれることを共有した
  • 地域の持続性には、人・技術・文化・関係性の継承が重要であることを考えた
  • 白川郷の「結」を、現代のパートナーシップや共創へ引き寄せて考えた
  • 地域課題と自分たちの仕事・専門性を掛け合わせて考える機会となった

IMPACT|この実践が示した可能性

  • 地域そのものを企業研修や人材育成のフィールドとして活用する可能性
  • 観光地を「見る場所」から「問いを見つける学びの場所」へ広げる可能性
  • 地域の知恵や経験を次の世代や企業へ伝える仕組みづくり
  • 企業と地域が互いの課題や強みを持ち寄る共創型研修への発展
  • フィールド体験と対話を組み合わせた地域共創人材育成モデルへの展開

地域を、学びと共創のフィールドにする

ミライクエストが大切にしているのは、 地域について説明することだけではありません。

まず地域へ行き、 自分の目で見て、 人に会い、 心が動いたものを記録する。

そこから生まれた問いを 他者と持ち寄り、 異なる経験や専門性と重ねながら、 次の行動へつなげていく。

白川郷での研修は、 現在のミライクエストが進める 地域フィールド型の探究・共創の原型の一つでもあります。

白川郷というフィールド

合掌造り、自然、暮らし、観光、 文化や技術の継承など、 地域の持続性を考える多様なテーマが存在します。

ミライクエスト

フィールド体験、地域の方との接点、 気づきの記録、対話、問いの整理を組み合わせ、 学びを次の実践へつなげる研修プロセスを設計しました。

地域には、教科書だけでは学べない知がある

合掌造りの建物だけでなく、 それを守る人、 技術を受け継ぐ人、 地域で暮らす人、 地域外から関わる人。 白川郷の持続性は、 多くの人の関係の上に成り立っています。

地域のリアルに触れ、 そこから問いを見つけ、 誰かと考え、 次の行動へつなげる。

2日間の白川郷研修は、 「結」という地域の知から、 これからの共創のあり方を考える機会となりました。

研修テーマ: 白川村の「結」からSDGsを学ぶ研修
開催日: 2023年6月6日〜7日
フィールド: 白川郷世界遺産エリア
宿泊・研修会場: トヨタ白川郷自然學校
講師: 楢木隆彦、 山田俊行氏、 尾崎達也氏
企画・運営協力: 田園社会イニシアティブ株式会社/ミライクエスト

地域のリアルを、企業と人の学びへ

ミライクエストでは、 地域そのものを学び・探究・共創のフィールドとして、 企業・行政・教育機関・次世代とともに、 フィールドワークや研修、実証プログラムを設計しています。

地域フィールド型の研修・共創について相談する

関連記事

TOP