次世代・探究

先輩たちの実践を、次の世代へ。AIマンダラから始める授業づくり|マンガ教材探究型授業プログラム

先輩たちがつくったマンガ教材と、 先輩たちが三和小学校で実践した授業。 2024年度のマンガ教材探究型授業プログラムは、 その経験を次の高校生たちへつなぐところから始まりました。 2024年10月5日、 加茂高校の高校生たちによる 第1回教材開発ワークショップを実施しました。

この年度は、 10月から11月にかけて4回のワークショップを重ね、 11月26日に三和小学校で模擬授業を行います。 プロジェクト全体では加茂高校の高校生18名が参加。 高校生自身が考え、対話し、授業をつくるプロセスを、 2024年度も記録していきます。

マンガ教材探究型授業プログラム2024|#1

2024年度 プロジェクト概要

第1回実施日
2024年10月5日(土)10:00〜12:00
実施場所
美濃加茂市生涯学習センター
参加対象
岐阜県立加茂高等学校の高校生
年度参加者
高校生18名
ワークショップ
全4回
模擬授業
2024年11月26日
模擬授業会場
美濃加茂市立三和小学校
小学校参加児童
全校児童31名
使用教材
美濃加茂市版マンガ教材
テーマ
里山・地域資源・SDGs
実施
美濃加茂市ひとづくり課 STEAM事業
協力・伴走
ミライクエスト
18名 2024年度の高校生参加者
4回 授業づくりワークショップ
31名 本番で向き合う三和小学校の児童

2024年度も、「先生になる」挑戦が始まる

このプログラムでは、 高校生が小学生向けのマンガ教材を使いながら、 自分たち自身で授業を考え、 最後は実際の小学校で授業を行います。

対象は、 将来教員を志している高校生だけではありません。

地域貢献や社会課題に関心のある高校生。 生物多様性やSDGsに関心のある高校生。 そして、 まだ進路が定まっていないけれど、 「まず何か経験してみたい」と考える高校生も参加できます。

教えるという立場に立つことで、 地域について改めて学び、 人に伝える難しさを知り、 自分自身について考える。

それが、 このプログラムの大きな特徴です。

美濃加茂市版マンガ教材を読む加茂高校の高校生
まずは、先輩たちが制作に関わった美濃加茂市版マンガ教材を改めて確認。 自分たちなら、この教材を小学生にどう伝えるかを考えていきます。

先輩たちの活動を、「ゼロ」に戻さない

2024年度のスタートで大切にしたのが、 これまでの活動をしっかり振り返ることでした。

このマンガ教材は、 2021年度に加茂高校の高校生たちが 美濃加茂市の地域資源について調べ、 地域の人たちへのヒアリングなどを行いながら 制作に携わったものです。

2022年度には、 その教材を使って 高校生自身が授業を考え、 一般公募の小学生を対象に模擬授業を実施。

2023年度には、 三和小学校の協力を得て、 実際の学校の授業時間の中へ入りました。

2021年度

高校生が地域を調べ、 美濃加茂市版マンガ教材の制作に参加。

2022年度

教材を「つくる」から「教える」へ。 高校生による模擬授業を実践。

2023年度

三和小学校の実際の授業時間へ。 フィールドと教室をつなぐ授業へ発展。

2024年度

先輩たちの経験を次の高校生へ引き継ぎながら、 さらに授業を進化させていく。

新しい年度になったからといって、 またゼロから始めるのではありません。

先輩たちが何を考え、 何を試し、 子どもたちがどのように反応したのか。

その経験を次の高校生が受け取り、 さらに自分たちなりの授業へ変えていく。

継続的な活動だからこそできる 「学びのバトン」が、 2024年度にもつながっていきます。

AIマンダラで、まず「自分」を知る

この日のワークショップでは、 いきなり授業内容を決めることはしませんでした。

まず取り組んだのは、 自分自身について知ることです。

AIマンダラを使い、 自分の興味、 得意なこと、 将来やってみたいこと、 性格や経験など、 自己紹介につながる情報を入力していきました。

AIマンダラに入力された高校生の自己紹介情報をスクリーンに映して共有する様子
AIマンダラ上に入力した自己紹介をスクリーンに映して共有。 一人ひとりの興味や特徴を可視化しながら、 お互いを知るところからワークショップを始めました。

同じ学校、 同じクラスで過ごしていても、 意外と知らない一面があります。

「そんなことに興味があったんだ」

「将来、そんなことをやってみたいんだ」

そうした発見が、 人と人との距離を少し縮めます。

なぜ授業づくりの前に「自己紹介」なのか

授業は一人ではつくりません。 それぞれの得意なこと、 興味、 性格、 発想の違いを知ることは、 これからチームをつくり、 授業を考えていくための大切な土台になります。 AIマンダラで整理した情報は、 その後のグループづくりにも活用していきます。

「自分なら、どんな授業をする?」

自己紹介を終えると、 少しずつ授業づくりへ議論を進めていきました。

すでに高校生たちは、 事前ガイダンスの段階で 前年度までの先輩たちの活動を見ています。

三和の森を歩く。 子どもたちと話す。 マンガ教材を使う。 絵を描く。 自然物を使って何かをつくる。

「授業」と言っても、 一つの正解があるわけではありません。

そのため、この日は 自分たちが面白いと思うことや、 子どもたちとやってみたいことを 自由に出し合いました。

模造紙を囲みながら授業のアイデアについて話し合う加茂高校の高校生
模造紙を囲みながら、 「どんな授業なら小学生が楽しめるか」 「自分たちは何を伝えたいか」を話し合います。

初回とは思えないほど、 活発に意見が出ていたことも印象的でした。

その背景には、 事前ガイダンスで 先輩たちの授業の写真や活動内容を あらかじめ共有していたことも 大きかったと考えています。

完成した授業を真似するためではありません。

「ここまでやっていいんだ」 「こんな方法もあるんだ」 と知ることで、 新しい発想の入口を持つことができます。

高校生同士が円になり授業のアイデアについて意見を交わす様子
一つの案をすぐに決めるのではなく、 互いの考えを聞きながら思考を深めていきます。 初回から活発な対話が生まれました。

授業づくりそのものが、探究になる

高校生たちが最終的に向き合うのは、 三和小学校の子どもたちです。

自分たちが面白いと思うだけでは、 授業にはなりません。

小学生に伝わるか。 楽しんでもらえるか。 里山や自然について少しでも考えてもらえるか。

そのためには、 相手の立場に立って考える必要があります。

そして、 グループの仲間の意見も聞きながら、 自分の考えを修正していく必要があります。

このプロセスそのものが、 探究的な学びです。

模造紙に授業のアイデアを書き出しながら検討を進める高校生
話して終わるのではなく、 出てきた考えを模造紙へ書き出し、 授業の形へ少しずつ整理していきます。
01

先輩たちの実践を知る

これまでの教材開発や授業実践を振り返り、 自分たちが取り組む活動の全体像を理解します。

02

自分自身を知る

AIマンダラを使って、 興味や特性、経験などを整理し、 仲間と共有します。

03

仲間を知る

普段は気づかなかった一面や得意分野を知り、 チームづくりの土台をつくります。

04

アイデアを出す

小学生に何を伝えたいか、 どんな授業なら楽しいかを 自由に話し合います。

05

考えを見える形にする

模造紙へ書き出しながら、 一人ひとりの発想を グループの考えへつなげていきます。

継続してきたからこそ、初日から動き出せる

今回のワークショップを見ていて、 改めて感じたことがあります。

それは、 継続してきた活動には、 次の人が立ち上がりやすくなる力がある ということです。

2024年度の高校生たちは、 何もないところから 授業を想像する必要はありません。

先輩たちの教材がある。 先輩たちの授業がある。 写真がある。 試行錯誤の記録がある。

そこから、 「自分たちならどうするか」を考えることができます。

これまでの実践が、 次の高校生にとっての 知の資産になり始めています。

この日の活動から生まれたもの

OUTPUT|この日に形になったもの

  • 2024年度第1回教材開発ワークショップを実施
  • 美濃加茂市版マンガ教材を改めて確認
  • 前年度までの高校生による授業実践を共有
  • AIマンダラを活用した自己紹介を実施
  • 参加者それぞれの興味や特性を可視化
  • 自己紹介情報を参加者同士で共有
  • 今後のグループづくりにつながる基礎情報を整理
  • 小学生向け授業の初期アイデアを話し合った
  • 模造紙を使って授業の発想を書き出した

OUTCOME|高校生に生まれ始めた変化

  • クラスメートの知らなかった一面を知る機会になった
  • 自分自身の興味や特性を改めて考える機会になった
  • 「自分ならどんな授業をするか」という問いが生まれた
  • 一人で考えるのではなく、仲間と考えを重ねる姿勢が生まれた
  • 先輩たちの活動を参考にしながら、新しい案を考える土台ができた
  • 初回から授業づくりに向けた活発な対話が生まれた

IMPACT|この取り組みが目指す変化

  • 高校生が地域を学び、それを次の世代へ伝える循環をつくる
  • 教員志望の高校生が実際の教育現場へ接続する機会をつくる
  • 地域課題への関心を持つ次世代人材を育てる
  • 先輩から後輩へ経験やノウハウが引き継がれる仕組みを育てる
  • 地域で積み重ねた教育実践を「知の資産」として残す
  • 高校と小学校、行政、地域をつなぐ継続的な学びの仕組みへ発展させる

※IMPACTは第1回ワークショップだけで達成された成果ではなく、 年度を通じた継続実践によって目指していく中長期的な変化として整理しています。

次は、授業の「中身」へ

第1回は、 自分を知り、 仲間を知り、 これまでの実践を知るところから始まりました。

ここから高校生たちは、 「小学生に何を伝えたいのか」 「どんな授業なら伝わるのか」を さらに具体的に考えていきます。

11月26日、 三和小学校の教室に立つその日まで。

授業づくりの探究は、 まだ始まったばかりです。

先輩の実践を、次の問いへ

2021年度の教材開発から始まったこの取り組みは、 少しずつ形を変えながら続いてきました。 2024年度の高校生たちは、 その蓄積を受け取る次の世代です。 過去の活動をそのまま繰り返すのではなく、 先輩たちの経験を土台に、 自分たちなりの問いと授業をつくっていく。 第1回ワークショップでは、 そのための新しい一歩が始まりました。

事業名: 「マンガ教材を活用した教材開発ワークショップ開催」委託業務
実施: 美濃加茂市ひとづくり課 STEAM事業
協力・伴走: ミライクエスト
第1回実施日: 2024年10月5日
実施場所: 美濃加茂市生涯学習センター
参加: 岐阜県立加茂高等学校の高校生
年度参加者: 高校生18名
本番: 2024年11月26日 美濃加茂市立三和小学校
対象児童: 三和小学校 全校児童31名

先輩の経験を、次の世代の挑戦へ

ミライクエストは、 高校生が地域に触れ、 人と出会い、 自分自身の問いを持ち、 その経験を次の人へつないでいく 学びの循環を育てていきます。

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