次世代・探究

子どもとどう向き合うか。先輩教師から学ぶ|マンガ教材探究型授業プログラム2024 #2

「先生になったとき、 子どもたちとどう向き合えばよいのだろう。」 2024年10月12日、 マンガ教材探究型授業プログラム2024の 第2回ワークショップを開催しました。 この日は、長く学校現場で子どもたちと向き合ってきた 日比野安平先生を迎え、 高校生たちが「教える」ということについて 考える時間となりました。

第1回ではAIマンダラを使って 自分自身や仲間の特徴を知り、 授業づくりの最初のアイデアを出しました。 第2回はそこから一歩進み、 「何を教えるか」だけではなく、 「誰に、どう向き合うか」を考えていきます。

マンガ教材探究型授業プログラム2024|#2

第2回ワークショップ概要

実施日
2024年10月12日(土)10:00〜12:00
実施場所
美濃加茂市生涯学習センター
参加対象
岐阜県立加茂高等学校の高校生
年度参加者
高校生18名
講師・アドバイザー
日比野安平先生
テーマ
子どもとの向き合い方・授業づくり
使用教材
美濃加茂市版マンガ教材
模擬授業本番
2024年11月26日
実施校
美濃加茂市立三和小学校
実施
美濃加茂市ひとづくり課 STEAM事業
協力・伴走
ミライクエスト

「授業をつくる」前に、考えておきたいこと

前回のワークショップでは、 高校生たちがマンガ教材を読み、 先輩たちの実践を振り返りながら、 「自分だったらどんな授業をしてみたいか」を 考え始めました。

しかし、 授業づくりで大切なのは、 面白いアイデアを考えることだけではありません。

その前にいるのは、 一人ひとり違う子どもたちです。

どんな言葉なら伝わるのか。

子どもが話してくれないときは、 どうすればよいのか。

思っていた反応が返ってこなかったら、 どうするのか。

「教える」という行為を考えることは、 同時に、 目の前の相手について考えること でもあります。

日比野安平先生の話を聞く加茂高校の高校生たち
日比野安平先生を囲み、 教員として子どもたちとどう向き合うのかを考えます。 一方向の講義ではなく、 高校生とのやり取りを交えながら進みました。

先輩教師から、「子どもを見る」視点を学ぶ

ADVISER

日比野 安平 先生

長年にわたり岐阜県内の教育現場で教員として勤務し、 岐阜県立加茂農林高等学校、 岐阜県立岐山高等学校などで校長を務めたほか、 美濃加茂市教育長も務められました。

このマンガ教材探究型授業プログラムでは 毎年高校生たちに伴走いただき、 教員として子どもにどう向き合うか、 どう接するかという視点から アドバイスをいただいています。

この日も、 日比野先生から完成した 「正しい授業の方法」を 教えてもらったわけではありません。

高校生たちが考えていることに耳を傾け、 そこから問い返したり、 教員としての経験を踏まえながら アドバイスをいただきました。

高校生からも質問が出され、 日比野先生との質疑応答を通じて、 「先生になる」ということを 少しずつ具体的に考えていきました。

日比野安平先生と高校生が授業づくりについて対話する様子
高校生からの質問にも、 一つひとつ対話しながら答えていただきました。 「先生」という仕事を、 実際に子どもと向き合ってきた人の言葉から考える時間です。

答えをもらうのではなく、自分たちで考える

このプログラムで大切にしているのは、 大人が高校生へ 「こういう授業をしなさい」と 答えを渡さないことです。

日比野先生から話を聞いた後も、 最終的に授業を考えるのは高校生自身です。

子どもたちに何を伝えたいのか。

マンガ教材をどの場面で使うのか。

子どもが楽しめるようにするには、 どんな工夫が必要なのか。

そして、 子どもの反応によって 自分たちの計画をどう変えるのか。

大人との対話を材料にしながら、 自分たち自身で考え続けます。

子どもに「伝える」とは、どういうことだろう。
子どもが興味を持ってくれなかったら、どうするだろう。
年齢や性格の違う子どもたちと、どう関係をつくるだろう。
自分が話すことより、子どもの声を聞くことが大切なのではないか。

教員志望だからこそ、本物の先生と話す

このプログラムには、 将来教員を志している高校生も参加しています。

大学へ進み、 教職課程を履修し、 教育実習を経験する。

その前の高校生の段階で、 実際に長く学校現場に立ってきた先生と話し、 さらに自分自身が授業をつくって 小学生の前に立つ経験ができることは、 進路を考えるうえでも大きな意味があります。

教員になることへの憧れだけではなく、 子どもと関わる難しさや、 自分自身がどのような先生になりたいのかまで 考え始めるきっかけになります。

日比野安平先生の話を聞きながら授業について考える高校生
経験豊富な先輩教師の話を聞きながら、 自分たちが三和小学校の子どもたちの前に立つ姿を 少しずつ具体的に想像していきます。

2024年度は、「支える人」もつながっていく

2024年度のプログラムでは、 日比野先生だけでなく、 加茂高校の先生や 前年度に参加した高校生も、 授業づくりを支えていきます。

ここにも、 この取り組みを継続する意味があります。

毎年ゼロから 新しい参加者だけで始めるのではなく、 前年度までの経験を持った人が 次の参加者へ関わる。

教員経験を持つ大人。 高校の先生。 昨年実際に授業をした先輩。

異なる立場の人たちの経験が重なることで、 高校生たちの授業づくりも 少しずつ厚みを増していきます。

「教える人」を育てる人たち

高校生が小学生を教える。 その高校生を、 教員、地域の大人、先輩高校生が支える。 さらに、その経験を次年度の高校生へ引き継いでいく。 この重なりによって、 一度限りの体験ではない学びの循環が 少しずつ地域の中に生まれていきます。

この日の活動から生まれたもの

OUTPUT|この日に形になったもの

  • 2024年度第2回教材開発ワークショップを実施
  • 日比野安平先生による高校生へのレクチャーを実施
  • 教員として子どもとどう向き合うかをテーマに対話
  • 高校生から日比野先生への質疑応答を実施
  • 授業づくりに対する具体的な助言を受けた
  • 11月26日の三和小学校での模擬授業を意識した検討を継続した

OUTCOME|高校生に生まれ始めた変化

  • 授業内容だけでなく「子どもとの関係」に視点が広がった
  • 教える側の都合だけでなく、相手の立場を考える意識が生まれた
  • 子どもの反応に応じて柔軟に対応する必要性を考える機会になった
  • 実際の教員経験を持つ人との対話から、教職をより具体的に捉える機会となった
  • 自分自身がどのように子どもと関わりたいかを考えるきっかけとなった
  • 大人から答えをもらうのではなく、自分たちで授業を考える姿勢が深まった

IMPACT|この取り組みが目指す変化

  • 教員を志す高校生が、高校段階から教育現場に触れる機会をつくる
  • 子どもとの対話を大切にする次世代の教育人材を育てる
  • 地域の経験豊かな教員と高校生をつなぐ学びの仕組みをつくる
  • 高校生が地域の小学生へ学びを還元する循環を育てる
  • 大人・学校・先輩高校生の経験を次の世代へ継承する
  • 地域全体で次世代を育てる継続的な教育モデルへ発展させる

※IMPACTは第2回ワークショップのみで達成された成果ではなく、 年度を通じた継続的な実践によって目指していく 中長期的な変化として整理しています。

次は、「自分たちの授業」をさらに具体的に

第1回で、 自分を知り、 仲間を知り、 授業のアイデアを出しました。

第2回では、 その授業を届ける相手である 「子ども」に視点を移しました。

ここから高校生たちは、 日比野先生から受け取った視点も参考にしながら、 さらに具体的な授業計画へ進んでいきます。

何を教えるのか。

どう伝えるのか。

そして、 目の前の子どもとどう向き合うのか。

授業づくりを通して考える問いは、 少しずつ深くなっていきます。

「教える」ことは、「相手を見る」こと

授業の計画を立てるだけなら、 紙の上でもできます。 しかし、本当に子どもの前に立つためには、 相手の表情を見て、 声を聞き、 反応を受け取りながら、 自分自身も変わっていく必要があります。 日比野先生との対話は、 高校生たちが 「授業をつくる人」から 「子どもと向き合う人」へ 一歩進む時間となりました。

事業名: 「マンガ教材を活用した教材開発ワークショップ開催」委託業務
実施: 美濃加茂市ひとづくり課 STEAM事業
協力・伴走: ミライクエスト
第2回実施日: 2024年10月12日
実施場所: 美濃加茂市生涯学習センター
参加: 岐阜県立加茂高等学校の高校生
講師・アドバイザー: 日比野安平先生
年度参加者: 高校生18名
模擬授業本番: 2024年11月26日 美濃加茂市立三和小学校

教える前に、目の前の人を見る

ミライクエストは、 高校生が地域の大人や先生と出会い、 本物の経験から学びながら、 自分自身で問い、 実践へ踏み出す機会を育てていきます。

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