高校生がマンガ教材を読む。 そこから、 「自分なら小学生にどう伝えるだろう」 と考えてみる。 2023年12月2日、 教員を志望する高校生たちによる 新しい授業づくりが始まりました。
2021年度のマンガ教材開発、 2022年度の小学生への模擬授業を経て、 2023年度の目標は 「実際の小学校で授業を行うこと」。 本記事は、 2024年3月18日の三和小学校での実践へ向けて始まった 「マンガ教材探究型授業プログラム」 第1回ワークショップの記録です。
プロジェクト概要
- プログラム名
- マンガ教材探究型授業プログラム
- 実施日
- 2023年12月2日
- 位置づけ
- 2023年度 第1回ワークショップ
- テーマ
- 前年度の実施内容の共有と マンガ教材の使い方のレクチャー
- 対象
- 岐阜県立加茂高等学校 高校生
- 参加者
- 4名
- 会場
- まちべんち美濃加茂ラボ
- 総合指導・伴走
- 田園社会イニシアティブ株式会社/ミライクエスト
- 最終実践予定
- 2024年3月18日 美濃加茂市立三和小学校
- 事業
- 里山×STEAM MINOKAMO2030
マンガ教材プロジェクト
高校生参加者
実際の小学校での授業を目指す
2023年12月2日、 岐阜県立加茂高等学校の高校生とともに、 「マンガ教材探究型授業プログラム」 2023年度最初のワークショップを実施しました。
このプログラムでは、 美濃加茂市の地域資源や里山、 SDGsを題材にしたマンガ教材を使い、 教員を志望する高校生や これから進路を考える高校生自身が、 小学生向けの授業を考えます。
教材を「読む側」から、 その教材を使って 「誰かに伝える側」へ。
高校生自身が授業のねらいを考え、 子どもたちに何を伝えたいのかを考え、 最終的には実際に小学生の前に立つ。
2023年度は、 これまで続けてきた取り組みを さらに一段階前へ進める年度になりました。

始まりは、高校生自身による「教材づくり」
このプログラムの始まりは、 2021年度までさかのぼります。
当時、 加茂高校の高校生たちは 美濃加茂市の地域を実際に探究し、 地域の人たちへのヒアリングや 情報収集を行いながら、 里山や地域資源の大切さを伝える 小学生向けマンガ教材の制作に取り組みました。
ベースとなったのは、 NPO法人田園社会プロジェクトと 株式会社オルタナティブコミュニケーションズなどによって 環境教育支援を目的に開発されてきた 地域版のマンガ教材です。
美濃加茂市版では、 高校生自身が地域を調べ、 地域の声を集め、 プロのデザイナーやライターと一緒に 内容づくりへ参加しました。
「完成された教材を使う」のではなく、 地域を調べるところから始める
この教材の特徴は、 高校生に完成品だけが渡されたのではないことです。 自分たちが暮らす地域を歩き、 人に話を聞き、 地域資源や課題を知り、 その情報を教材へ反映していきました。 教材そのものが、 高校生の地域探究の成果でもあります。
「つくる」から「教える」へ。3年間の進化
マンガ教材の完成は、 この取り組みのゴールではありませんでした。
教材をつくった次に生まれた問いは、 とてもシンプルでした。
「この教材を、本当に子どもたちの学びに使えないだろうか。」
加茂高校の高校生が地域を探究し、 地域の人へのヒアリングや情報収集を実施。 プロの制作スタッフとともに 美濃加茂市版の教材開発へ参加しました。
前年度に制作した教材を活用しながら、 教員志望の高校生が授業計画を作成。 2023年3月には、 ぎふ清流里山公園で 公募で集まった小学生を対象に 模擬授業を実施しました。
次の目標は、 一般公募のイベントではなく 実際の小学校で授業を行うこと。 三和小学校と連携し、 学校教育の現場での実践を目指す段階へ進みました。

第1回は、「教材を知る」ことから始める
12月2日の第1回ワークショップでは、 いきなり授業案をつくることはしませんでした。
まず、 前年度にどのような授業を行ったのかを共有し、 マンガ教材そのものを じっくり読み込むところから始めました。
子どもたちは、 どのページに興味を持つだろう。
マンガだからこそ、 伝えやすいことは何だろう。
逆に、 読んでもらうだけでは伝わらないものは何だろう。
そして、 自分が先生なら、 この教材からどのような問いを投げかけるだろう。
教材を読むことそのものが、 授業をつくるための最初のリサーチになっていきます。

教員を目指す高校生に、「教える前」の原体験を
このプログラムで大切にしているのは、 小学生に地域について学んでもらうことだけではありません。
もう一人の主役は、 授業をつくる高校生です。
教員を目指していても、 高校生の段階で 実際に授業を考え、 子どもたちの前に立つ経験ができる機会は 決して多くありません。
どんな言葉なら伝わるのか。
どんな順番なら理解しやすいのか。
子どもが飽きずに、 「もっと知りたい」と感じるには どうすればよいのか。
教える側になることで、 地域についての理解だけでなく、 教育という仕事そのものについても 考えることになります。
キャリア教育を、「仕事を知る」から「仕事を試す」へ
教員の仕事について説明を聞くだけではなく、 自分で授業を考え、 最終的には実際の小学生の前に立ってみる。 この一連のプロセスそのものが、 教員志望の高校生にとって 将来の進路を具体的に考える原体験になります。
次の舞台は、里山に囲まれた三和小学校
2023年度の大きな挑戦は、 実際の学校で授業を行うことです。
舞台となるのは、 美濃加茂市立三和小学校。
三和地区は、 美濃加茂市の中でも 豊かな里山環境が残る地域です。
三和小学校では、 児童数の減少など地域の教育課題にも向き合いながら、 小規模校ならではの教育環境を生かした 学びが行われています。
里山や地域資源をテーマにした教材を、 その地域にある学校で使う。
さらに、 高校生と小学生という 異なる世代が一緒に地域について考える。
教材の中だけではなく、 実際の地域そのものを学びのフィールドにできることも、 このプログラムの大きな特徴です。
ここから、約3か月の授業づくりが始まる
この日のワークショップは、 完成した授業をつくるための場ではありません。
むしろ、 ここがスタートです。
この後、 高校生たちは教育経験を持つ地域の方から話を聞き、 多文化共生という美濃加茂市ならではの視点にも触れながら、 グループごとに授業案をつくっていきます。
そして最終的には、 担当する小学生の学年に合わせて 授業内容を組み立て、 2024年3月18日に 三和小学校の教室へ立つことになります。
教材を読むところから、 本物の教室へ。
高校生たちの約3か月にわたる 授業づくりが始まりました。
この活動から生まれるもの
OUTPUT|この日に形になったこと
- 2023年度マンガ教材探究型授業プログラムの第1回ワークショップを実施
- 加茂高校の高校生4名が参加
- 前年度に実施した小学生向け模擬授業の内容を共有
- 美濃加茂市版マンガ教材を高校生自身が改めて読み込んだ
- 教材を「学ぶ側」ではなく「教える側」の視点から検討した
- 2024年3月18日の三和小学校での実践に向けた準備を開始した
OUTCOME|高校生に生まれ始めた変化
- 教材を読む視点から、子どもへ伝える視点への転換が始まった
- 「何を教えるか」だけでなく「どうすれば伝わるか」を考える機会が生まれた
- 教員という仕事を、授業づくりの実践を通じて具体的に考える入口となった
- 地域資源や里山を、教育の題材として捉え直す機会となった
- 前年度までの高校生の実践を次の世代の高校生が引き継ぐ流れが生まれた
IMPACT|このプロセスが目指す地域の変化
- 教員を志望する高校生が、進学前から実際の教育現場に触れられる地域環境の形成
- 高校と小学校をつなぐ継続的なキャリア教育・探究教育モデルへの発展
- 高校生が地域の学びの担い手となる世代間交流の創出
- 小学生が高校生を身近なロールモデルとして感じられる関係づくり
- 地域資源や里山を教材化し、地域の中で学びを循環させる仕組みづくり
- 高校生が集めた地域の知を、次の世代へ受け渡していく教育資産の蓄積
- 学校と地域をつなぎ、地域そのものを学びのフィールドとして活用するモデルへの発展
※IMPACTは12月2日時点で達成済みの成果ではなく、 本プログラムを継続することで目指す中長期的な社会的変化として整理しています。
高校生が主役。ミライクエストは、その挑戦に伴走する
加茂高校の高校生
マンガ教材を読み込み、 地域について考え、 小学生に何をどう伝えるのかを考えながら、 自分たち自身で授業をつくっていきます。
ミライクエスト
高校生と地域、教育経験者、小学校をつなぎ、 ワークショップ設計、授業づくり、 対話、実践までのプロセスを伴走。 高校生が自ら考え、試せる機会をつくります。
教材をつくる。授業をつくる。そして、地域の中で教える。
2021年度に始まったマンガ教材の制作は、 高校生自身が小学生へ教える取り組みへと発展し、 2023年度には実際の学校教育の現場へ 一歩踏み出そうとしています。 地域を調べること。 誰かに伝えること。 教えること。 そのすべてが、 高校生自身の進路や地域との関係を考える原体験になります。 12月2日は、 その新しい挑戦のスタートとなる一日でした。
実施日: 2023年12月2日
対象: 岐阜県立加茂高等学校 高校生
参加者: 4名
テーマ: 前年度の実施内容の共有とマンガ教材の使い方のレクチャー
総合指導・伴走: 田園社会イニシアティブ株式会社/ミライクエスト
事業: 里山×STEAM MINOKAMO2030
次の実践: 2024年3月18日 美濃加茂市立三和小学校での模擬授業
地域を知ることから、未来の先生への一歩を。
ミライクエストは、 高校生が地域のリアルに触れ、 自分自身で問いを持ち、 将来の仕事や社会との関わりを 実際の経験から考えられる機会をつくっています。
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