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竹を地域資源へ、子どもの思い出を地域の力へ|静岡・裾野フィールドワーク2025

ミライクエスト共創パートナー|伴走支援プロジェクト
本記事では、東大生地方創生コンソーシアムが主体となって実施した活動を、 共創パートナーであるミライクエストの視点から紹介します。 2025年7月、東京大学の学生5名が静岡県裾野市を訪れ、 地域の子ども会行事を手伝いながら、 放置竹林の活用、純国産メンマづくり、 子どもと地域のつながりについて学びました。

プロジェクト概要

事業名
静岡・裾野フィールドワーク2025
実施日
2025年7月5日
実施地域
静岡県裾野市
参加者
東大生地方創生コンソーシアム所属学生 5名
実施主体
東大生地方創生コンソーシアム
共創パートナー
ミライクエスト
主な連携先
NPO法人みらい建設部、地域子ども会
主なテーマ
放置竹林の活用、純国産メンマ、 子ども会の運営、世代を越えた地域交流、 地域資源を生かした事業づくり

2025年7月5日、 東大生地方創生コンソーシアムの学生5名が、 静岡県裾野市で日帰りのフィールドワークを実施しました。

今回の活動のきっかけとなったのは、 裾野市で竹林整備や純国産メンマづくり、 子ども会の運営などに取り組む NPO法人みらい建設部とのつながりです。

学生たちは、地域の子ども会が開催した 流しそうめんと七夕祭りに、 準備の段階から参加しました。

行事を手伝い、子どもたちや保護者と一緒に時間を過ごしながら、 子ども会が地域で果たしている役割や、 現代の運営上の課題について話を聞きました。

午後には、純国産メンマの加工現場や畑を見学し、 管理されなくなった竹林を地域資源として活用する仕組みについて学びました。

地域の行事を、準備するところから一緒に

フィールドワークの最初の活動は、 佐野八幡神社で行われた 子ども会の流しそうめん・七夕祭りの準備でした。

学生たちは、 流しそうめんに使う竹の台座づくりや、 七夕飾りの設置などを手伝いました。

地域の行事は、 開催されている時間だけで成り立つものではありません。

材料を集め、道具を準備し、 会場を整え、安全を確認し、 終了後には片付けを行う。

多くの地域行事は、 保護者や地域住民の見えにくい準備によって支えられています。

裾野市の子ども会行事で七夕飾りのための杭を打つ子供
流しそうめんと七夕祭りの準備に参加し、会場づくりを地域の方々と一緒に行いました。

一緒に作業するからこそ、聞ける話がある

会議室で改まってヒアリングするだけでなく、 地域の方と一緒に手を動かしながら会話をする。 作業を共有することで自然な関係が生まれ、 地域の現状や本音を少しずつ知ることができます。

子どもも大人も一緒に楽しむ地域の時間

準備が終わると、 子どもたちが集まり、 流しそうめんや七夕祭りが始まりました。

会場にはバルーンキャッスルも設置され、 子どもたちは思い思いに遊びながら、 地域の大人や学生と時間を過ごしました。

学年や年齢、性別に関係なく、 子どもと大人が自然に関わる姿が見られました。

家庭や学校とは異なる、 地域の中の「ナナメの関係」があることは、 子どもにとって安心できる居場所につながります。

裾野市の子ども会行事でバルーンキャッスルを楽しむ子どもと学生
子どもたちと学生、地域の大人が一緒に過ごし、世代を越えた交流が生まれました。

参加が自由だからこそ生まれる課題

現在の子ども会は、 地域に住んでいるすべての子どもが 自動的に参加する仕組みではありません。

入会するかどうかを家庭が選べることは、 現代の生活や価値観に合った制度でもあります。

一方で、家庭の事情や人間関係によって、 参加したい子どもが参加しにくくなる可能性もあります。

また、運営する保護者に負担が集中すれば、 子ども会そのものを続けることが難しくなります。

子どもの自由と、 保護者の負担、 地域のつながりをどのように両立するか。

学生たちは、 地域活動を続けるための難しさについても考えました。

子どもの思い出が、将来の地域への愛着になる

地域の大人や異なる学年の子どもと一緒に過ごした記憶は、 すぐに目に見える成果にはならないかもしれません。 しかし、地域での楽しい経験が積み重なることで、 将来「また戻りたい」と思う気持ちが育つ可能性があります。

放置竹林を、純国産メンマという地域資源へ

午後には、 みらい建設部の事務所を訪れ、 純国産メンマの加工現場を見学しました。

竹は成長が早く、 定期的に管理しなければ、 周囲の植物を覆い、生態系に影響を与えることがあります。

また、根が地表に近い場所へ広がるため、 管理されていない竹林では、 土壌流出などのリスクも指摘されています。

こうした放置竹林の問題に対して、 幼竹を収穫し、 国産メンマとして加工・販売するのが 純国産メンマプロジェクトです。

学生たちは、子どもたちと一緒に、 メンマの加工工程を体験しました。

裾野市で子どもたちと一緒に純国産メンマを作る学生
子どもたちと一緒に純国産メンマの加工を体験し、竹林整備と商品づくりのつながりを学びました。

竹を切るだけでは、持続的な活動にならない

放置竹林を整備するだけであれば、 活動には継続的な人手と費用が必要になります。

そこで、収穫した幼竹をメンマとして商品化し、 得られた収益を竹林整備や団体活動へ循環させる。

地域課題の解決を、 無償のボランティアだけに頼るのではなく、 小さな事業として成立させる考え方です。

加工設備は比較的小規模でありながら、 年間で多くの商品を生産できるといいます。

学生たちは、 メンマの製造工程を効率化し、 品質や味を一定に保ち、 販路を広げることによって、 竹林整備を持続可能な事業へ発展させられる可能性を感じました。

地域課題を、価値のある商品へ変える

管理に困っている竹林から幼竹を収穫し、 メンマとして加工・販売する。 課題の原因となっているものを、 地域の収益や活動資金を生む資源へ変える発想は、 他の地域課題にも応用できる可能性があります。

地域ごとの味と、全国へ広がるネットワーク

純国産メンマプロジェクトは、 裾野市だけの取り組みではありません。

全国各地で竹林整備やメンマづくりに取り組む人々がつながり、 製造方法の共有や勉強会、 販路開拓などを行っています。

幼竹の収穫量は、 年ごとや地域ごとに変化します。

製法を一定の手順に整理し、 地域間で商品を補い合うことで、 安定した供給にもつなげることができます。

一方で、味付けや地域の食文化を生かすことで、 地域ごとの個性を持った商品にすることも可能です。

国産メンマを、 単なる食品として販売するだけでなく、 竹林整備や地域づくりの背景とともに伝えることが、 消費者の共感や新たな販路につながります。

畑から広がる、子どもと地域の活動

みらい建設部では、 竹林整備やメンマづくりだけでなく、 子どもたちと一緒に作物を育てる活動も行っています。

学生たちは、活動に使われている畑を見学しました。

畑では、 リーフレタスやニンジンなどが育てられていました。

広い面積を使って栽培されているサツマイモは、 酒造事業者へ出荷され、 焼酎の原料として活用されているといいます。

NPO法人みらい建設部の畑を見学する学生
みらい建設部の畑を見学し、子どもの体験活動と地域産品づくりのつながりを学びました。

畑で作物を育てる経験は、 子どもたちにとって、 食べ物ができる過程を知る学びになります。

さらに、育てた作物が商品や地域産品へ変わることで、 農業、事業、地域経済のつながりも体験できます。

竹林、畑、子ども会といった一見異なる活動も、 地域の人が集まり、 一緒に手を動かし、 次の世代へ地域をつなぐという点でつながっています。

楽しいから続く、地域の活動

みらい建設部は、 もともと地域の話し合いを支援する ファシリテーションの活動から始まりました。

その後、活動資金を得る方法の一つとして、 竹林整備や純国産メンマづくりに取り組むようになりました。

今回出会った地域の方々からは、 「地域の役に立ちたい」という思いとともに、 活動そのものを楽しんでいる様子が伝わってきました。

地域活動を続けるためには、 収益や効率性も重要です。

しかし、人が参加し続けるためには、 楽しいこと、 仲間がいること、 自分の役割を感じられることも欠かせません。

報酬だけでは説明できない参加の動機を、 どのように育てるか。

それも、これからの地域づくりにおける重要なテーマです。

学生が現場から感じたこと

地域の方と一緒に作業しながら仲良くなり、 その中で少しずつ話を聞くフィールドワークは、 とても楽しく、多くの学びがありました。

子どもも大人も、年齢や性別を越えて生き生きと活動している姿が印象に残りました。 子どもが安心できる地域の環境を、大人がつくることの大切さを感じました。

子どもたちが地域で楽しい思い出を持つことが、 将来ふるさとを思い出し、戻りたいと思うきっかけになるのではないかと感じました。

純国産メンマの製造や販売を効率化し、 竹材や竹チップなどの活用と組み合わせることで、 竹林整備を事業として成立させられる可能性を感じました。

この活動から生まれたもの

OUTPUT|学生たちが形にした成果

  • 子ども会の流しそうめん・七夕祭りの準備と運営補助
  • 竹を使った流しそうめん台座や会場設備の準備
  • 地域の子ども・保護者・子ども会運営者との交流
  • 子ども会の現状や運営課題に関するヒアリング
  • 子どもたちとの純国産メンマ加工体験
  • 放置竹林の管理と幼竹活用に関する学習
  • 純国産メンマの製造設備・生産工程の見学
  • 竹林整備と商品販売を結ぶ収益モデルの調査
  • NPO法人みらい建設部の活動内容に関するヒアリング
  • 子どもたちと作物を育てる畑の見学
  • サツマイモを焼酎へ活用する地域産品事例の学習
  • 学生によるフィールドワーク報告書の作成

OUTCOME|学生と地域に生まれた変化

  • 学生が地域行事を支える準備や運営の重要性を理解した
  • 作業を通じた交流によって、地域の方との自然な関係が生まれた
  • 子ども会が世代を越えたつながりを生むことを実感した
  • 地域での楽しい経験が、子どもの郷土愛につながる可能性を学んだ
  • 保護者負担と子どもの参加機会を両立する難しさに気づいた
  • 放置竹林を地域資源として捉える視点を得た
  • 竹林整備と商品販売を循環させる事業モデルを理解した
  • 純国産メンマの生産性や商品価値への理解が深まった
  • 地域活動には、収益だけでなく楽しさや共感が重要であると学んだ
  • 学生自身の関心から、竹林経営や地域事業を考える問いが生まれた

IMPACT|これから地域に育てていく可能性

  • 純国産メンマを活用した持続可能な竹林整備事業の拡大
  • メンマ、竹材、竹炭、竹チップを組み合わせた複合的な竹資源活用
  • 製造工程のマニュアル化や分業による生産性向上
  • 飲食店や小売店と連携した国産メンマの販路拡大
  • 地域ごとの味や物語を生かしたメンマ商品のブランド化
  • 竹林整備やメンマづくりを取り入れた体験型観光・学習プログラム
  • 大学生と地域団体が協力した商品開発や情報発信
  • 子ども会の運営負担を地域全体で支える仕組みづくり
  • 学年や世代を越えて交流できる子どもの居場所の充実
  • 地域での楽しい原体験を通じた将来の関係人口・Uターンの創出
  • 畑、竹林、食、子ども会を横断した地域教育プログラムの形成
  • 裾野市を地域資源循環と次世代育成を学ぶフィールドへ発展させる可能性

竹を地域資源へ、子どもの思い出を地域の力へ

今回のフィールドワークでは、 放置竹林と子ども会という、 一見異なる二つのテーマを学びました。

しかし、どちらにも共通しているのは、 地域の中にあるものを、 次の世代へどのようにつなぐかという問いです。

管理されなくなった竹林を、 メンマという商品へ変え、 得られた収益を地域活動へ戻す。

子どもたちが地域の大人や学生と一緒に遊び、 作り、食べる時間をつくり、 地域での楽しい記憶を残す。

地域資源を守ることも、 子どもを育てることも、 行政や一部の担い手だけで完結するものではありません。

地域の人、子ども、学生、団体、事業者が、 それぞれの立場から関わり、 無理なく続けられる仕組みをつくることが大切です。

今回の体験は、 地域課題を外から分析するだけでなく、 現場で一緒に手を動かし、 楽しさを共有しながら考えることの価値を示すものとなりました。

東大生の挑戦に寄り添う、ミライクエストの伴走支援

本活動の企画、訪問、作業、ヒアリングを主体的に担ったのは、 東大生地方創生コンソーシアムの学生たちです。

学生自身が地域行事へ入り、 子どもや保護者と交流し、 竹林活用や純国産メンマの事業性について考えました。

ミライクエストは、 東大生地方創生コンソーシアムの共創パートナーとして、 学生たちの主体性を尊重しながら、 現場で得た学びが次の調査や実践へつながるよう伴走しています。

大切にしているのは、 ミライクエストが学生に答えを与えることではありません。

学生が自分自身の関心から問いを持ち、 地域の方と一緒に手を動かし、 対話を通して考えを深め、 自分たちの言葉で次の行動をつくれる環境を整えることです。

一度のフィールドワークを一過性の経験で終わらせず、 次の訪問、研究、実践、 地域との継続的な関係へつなげていくこと。

それが、ミライクエストの伴走支援の役割です。

地域と一緒に、人と事業を創る研究所

ミライクエストは、次世代、企業、行政、大学、地域をつなぎ、 現場で生まれた問いや学びを、 次の調査、実践、研究、事業へつなげていきます。

実施主体: 東大生地方創生コンソーシアム
共創パートナー: ミライクエスト
実施日: 2025年7月5日
実施地域: 静岡県裾野市
参加者: 東大生地方創生コンソーシアム所属学生5名
主な連携先: NPO法人みらい建設部、地域子ども会

東大生地方創生コンソーシアムについて

地域に関心を持つ東京大学の学生がつながり、 全国各地の現場に入りながら、調査・実践・提案に取り組んでいます。

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