未分類

空き家を地域資源へ|和歌山・美浜フィールドワーク2025

ミライクエスト共創パートナー|伴走支援プロジェクト
本記事では、東大生地方創生コンソーシアムが主体となって実施した活動を、 共創パートナーであるミライクエストの視点から紹介します。 2025年6月、東京大学の学生3名が和歌山県美浜町・みなべ町を訪れ、 空き家活用、移住支援、関係人口づくり、梅ワーケーションについて学びました。

プロジェクト概要

事業名
和歌山・美浜フィールドワーク2025
実施期間
2025年6月21日~6月22日
実施地域
和歌山県日高郡美浜町・みなべ町
参加者
東大生地方創生コンソーシアム所属学生 3名
実施主体
東大生地方創生コンソーシアム
共創パートナー
ミライクエスト
主なテーマ
空き家の利活用、移住支援、関係人口づくり、 地域事業者との連携、梅ワーケーション

2025年6月21日から22日まで、 東大生地方創生コンソーシアムの学生3名が、 和歌山県美浜町・みなべ町でフィールドワークを実施しました。

今回のテーマは、 空き家を単なる地域課題としてではなく、 移住や交流、仕事を生み出す地域資源として捉えることです。

学生たちは、実際に地域へ移住し、 古民家を改修して事業を営む方、 移住支援や関係人口づくりに取り組む方、 地域の歴史や文化を伝える方々から話を伺いました。

さらに、梅の収穫作業を体験する 「梅ワーケーション」に参加し、 地域で働きながら関係を築く仕組みについても学びました。

空き家を改修し、地域で暮らし、働く

最初に訪れたのは、 古民家を改修した飲食店「おはな結び」です。

学生たちは、実際に地域へ移住し、 古民家を改修して自営業を営む吉田さんから、 移住当時の経験や改修時の苦労について話を伺いました。

和歌山県の風土や特産品、 地域での暮らし方についても、 移住者ならではの視点から具体的な話を聞きました。

特に印象的だったのが、 本格的に移住する前に約1年間、 地域で仮暮らしをしたという経験です。

実際に地域で暮らすことで、 近所の人の人柄や生活環境、 自分がその地域に合うかどうかを知ることができます。

古民家を改修したおはな結びで移住や空き家活用について話を聞く学生
古民家を改修した「おはな結び」で、移住の経緯や地域で事業を始めるまでの経験を伺いました。

移住は、家を見つけることだけではない

移住を支えるうえで重要なのは、 空き家を紹介することだけではありません。 地域での暮らし、人間関係、仕事、価値観を実際に体験し、 移住者と地域の双方が無理なく関係を築ける時間が必要です。

地域で助け合いながら事業を営む

おはな結びでは、 周辺の飲食店や地域事業者が、 互いに助け合いながら営業していることも伺いました。

小さな地域では、 一つの店舗だけで集客や運営を完結させるのではなく、 店舗同士で情報を共有し、 お客さまを紹介し合うことがあります。

競争相手として距離を置くのではなく、 地域全体の魅力を高める仲間としてつながること。

こうした関係が、 移住者が地域で事業を続けていくうえで、 大きな支えになっていることが見えてきました。

「何をしに来たのか」を、自分の言葉で持つ

次に学生たちは、 美浜町三尾地区にあるカナダミュージアムを訪れました。

三尾地区は、 かつて多くの住民がカナダへ移住した歴史を持ち、 「アメリカ村」とも呼ばれてきた地域です。

ミュージアムでは、 カナダ移民の歴史や、 日本語と英語が混ざり合った言葉、 当時の暮らしを伝える資料を見学しました。

その中で地域の方から学生たちへ投げかけられたのが、 「何をしたくて、ここへ来たのかを明確にしてほしい」 という言葉でした。

フィールドワークでは、 訪問先の方から一方的に教えてもらうだけではなく、 自分が何に関心を持ち、 何を知りたいのかを伝える必要があります。

和歌山県美浜町三尾地区のカナダミュージアム
カナダ移民の歴史を伝えるカナダミュージアムを訪れ、地域の記憶と文化について学びました。

地域へ行く前に、自分の問いを持つ

地域の方との対話を深めるためには、 訪問の目的や自分の関心を事前に言葉にしておくことが重要です。 「何を知りたいのか」「なぜこの地域に来たのか」を持つことで、 偶然の出会いも、より深い学びへ変わります。

古民家から、新しい交流と事業を生み出す

夜には、 古民家を改修した地域拠点「ダイヤモンドヘッド」を訪れました。

学生たちは、 地域で活動する大江さんや、 移住支援に取り組む網中さんたちから話を伺いました。

ダイヤモンドヘッドでは、 建物を改修した当時の資料や、 地域で進められてきた活動についても紹介していただきました。

また、三尾ラーメンを京都外国語大学の学生と共同開発し、 カナダへの出店につなげた事例も紹介されました。

地域の歴史や食を、 学生や地域外の人とともに新しい商品へ変え、 国内だけでなく海外へ発信する取り組みです。

古民家を改修したダイヤモンドヘッドで地域活動について話を聞く学生
古民家を改修したダイヤモンドヘッドで、移住支援や商品開発、地域事業について話を伺いました。

空き家は、地域の記憶を残す場所でもある

古民家の改修は、 古い建物を新しく使えるようにするだけではありません。

建物に残された地域の歴史や暮らしの記憶を受け継ぎながら、 新しい交流や活動の場として役割を与えることでもあります。

飲食店、宿泊施設、交流拠点、仕事場など、 空き家の使い方は一つではありません。

地域の人と外から訪れる人が出会い、 新しい企画や事業が生まれる場所として、 空き家を再生する可能性が見えてきました。

梅の収穫を通して地域と関わる

2日目には、みなべ町の梅農園で、 梅収穫ワーケーションを体験しました。

ワーケーションという言葉からは、 パソコンを使って仕事をしながら地域に滞在する姿が想像されます。

今回体験したのは、 普段の仕事と農作業を組み合わせながら、 地域の人や産業に関わる取り組みです。

学生たちは、梅を一つひとつ収穫し、 作業に集中する時間を過ごしました。

農作業そのものを体験するだけでなく、 農家の方との会話や、 地域の暮らしに触れることが、 関係人口を生み出すきっかけになります。

和歌山県みなべ町で収穫された梅
梅収穫ワーケーションを通じて、地域産業に触れながら関係人口づくりの仕組みを体験しました。

観光客でも移住者でもない、地域との関わり方

数日間地域を訪れ、農作業や仕事を通じて人と関係を築く。 すぐに移住するのではなく、 繰り返し地域を訪れながら関係を深める仕組みは、 新しい関係人口づくりの形として期待できます。

古民家を活用した交流拠点「37base」

梅収穫の後には、 古民家を改修した交流拠点「37base」も見学しました。

建物は、昔の面影を残しながら、 広々とした清潔感のある空間へ改修されていました。

室内には遊具などもあり、 子どもから大人までが過ごせる交流スペースとして活用されています。

空き家を宿泊や飲食だけに使うのではなく、 地域内外の人が集まり、 新しいつながりをつくる拠点として活用する可能性も感じられました。

学生自身の関心を問い直すフィールドワーク

今回のフィールドワークは、 空き家や移住支援について学ぶだけではなく、 学生自身が「自分は何に関心があるのか」を考える機会にもなりました。

地域の方から 「何をしに来たのか」と問われたとき、 自分の考えを十分に伝えられなかったという振り返りもありました。

事前準備が十分ではなく、 訪問先や地域について、 もっと深く調べておく必要があったという反省も共有されました。

一方で、 現地で梅を収穫したことをきっかけに、 地域産業や経営への関心に気づいた学生もいました。

最初から明確な専門分野や将来像を持っていなくても、 現場で感じた小さな興味を言葉にし、 次の行動へつなげることが大切です。

自分のやりたいこととは何だろうと考える機会になりました。 現場で感じた小さな興味を大切にしながら、 次の活動に向けて準備を深めたいと思いました。

フィールドワークでは、 訪問先について事前に調べ、 自分の興味や聞きたいことをもっと前面に出す必要があると感じました。

偶然出会った人との会話を学びへ変えるためには、 自分の経験や関心をすぐに伝えられる力も必要だと感じました。

この活動から生まれたもの

OUTPUT|学生たちが形にした成果

  • 古民家を改修した飲食店「おはな結び」での移住者ヒアリング
  • 移住前の仮暮らしや地域との関係構築に関する情報収集
  • 地域の飲食店同士の連携や助け合いに関するヒアリング
  • カナダミュージアムでの移民史・地域文化の学習
  • 移住支援や空き家活用に取り組む地域関係者との意見交換
  • 古民家を改修したダイヤモンドヘッドの視察
  • 地域資源を活用した三尾ラーメンの商品開発事例の学習
  • 梅収穫ワーケーションへの参加
  • 古民家交流拠点「37base」の見学
  • 2日間の活動を振り返る学生同士の対話
  • フィールドワーク報告書の作成

OUTCOME|学生と地域に生まれた変化

  • 空き家を問題ではなく、地域資源として捉える視点を得た
  • 移住には、住居だけでなく仕事や人間関係が重要であることを学んだ
  • 本格移住前の仮暮らしが、移住者と地域双方の理解につながることを知った
  • 地域事業者同士のつながりが、移住者の事業継続を支えることを理解した
  • 古民家活用が地域の歴史や記憶の継承につながることを学んだ
  • 農作業を通じた関係人口づくりの可能性を体験した
  • 学生が自分の興味や訪問目的を言語化する重要性に気づいた
  • 事前調査や質問設計の必要性を実感した
  • 地域産業や経営への新たな関心が学生の中に生まれた
  • 地域の方との偶然の出会いを、学びへ変える視点が育まれた

IMPACT|これから地域に育てていく可能性

  • 空き家を活用した飲食・宿泊・交流・仕事拠点の増加
  • 短期滞在や仮暮らしを組み込んだ移住支援プログラムの形成
  • 地域事業者が連携して移住者を支えるネットワークの強化
  • 古民家と地域文化を生かした新しい観光・学習プログラムの創出
  • 大学生と地域事業者による商品開発や情報発信の共同プロジェクト
  • 地域の食や歴史を国内外へ展開する事業の創出
  • 梅収穫などの農作業を活用した継続的な関係人口プログラム
  • 学生が定期的に地域を訪れ、調査や事業づくりに関わる関係の形成
  • 空き家を活用した若者や子育て世代の交流拠点づくり
  • 移住・農業・観光・教育を横断する地域プロジェクトへの発展
  • 学生自身の興味関心を起点とした、新しい研究や地域実践の創出

空き家から、人と仕事と地域の関係をつくる

今回のフィールドワークでは、 空き家は単に使われていない建物ではなく、 地域に新しい人や仕事を呼び込む資源になり得ることを学びました。

しかし、建物を改修するだけで、 移住や事業が成功するわけではありません。

地域で暮らす人との関係、 仕事を続けるためのつながり、 自分がその地域で何をしたいのかという意思が必要です。

美浜町で出会った方々は、 空き家を活用しながら、 飲食、交流、移住支援、商品開発など、 さまざまな活動を生み出していました。

また、梅ワーケーションのように、 移住以外にも地域と関わる入り口があります。

地域を一度訪れて終わるのではなく、 小さな仕事や体験を通じて関係を積み重ねること。

その先に、 新しい移住や事業、 地域との継続的な関係が生まれていきます。

東大生の挑戦に寄り添う、ミライクエストの伴走支援

本活動の企画、訪問、ヒアリング、体験を主体的に担ったのは、 東大生地方創生コンソーシアムの学生たちです。

学生自身が地域を訪れ、 移住者や地域事業者の話を聞き、 空き家活用や関係人口づくりについて考えました。

ミライクエストは、 東大生地方創生コンソーシアムの共創パートナーとして、 学生たちの主体性を尊重しながら、 現場で得た学びが次の調査や実践へつながるよう伴走しています。

大切にしているのは、 ミライクエストが学生に答えを与えることではありません。

学生自身が問いを持ち、 地域の方との対話を通して考えを深め、 次の行動を自分たちの言葉で生み出せる環境を整えることです。

一度のフィールドワークを一過性の経験で終わらせず、 次の訪問、研究、実践、 地域との継続的な関係へつなげていくこと。

それが、ミライクエストの伴走支援の役割です。

地域と一緒に、人と事業を創る研究所

ミライクエストは、次世代、企業、行政、大学、地域をつなぎ、 現場で生まれた問いや学びを、 次の調査、実践、研究、事業へつなげていきます。

実施主体: 東大生地方創生コンソーシアム
共創パートナー: ミライクエスト
実施期間: 2025年6月21日~6月22日
実施地域: 和歌山県日高郡美浜町・みなべ町
参加者: 東大生地方創生コンソーシアム所属学生3名

東大生地方創生コンソーシアムについて

地域に関心を持つ東京大学の学生がつながり、 全国各地の現場に入りながら、調査・実践・提案に取り組んでいます。

公式サイトを見る

関連記事

TOP