
田口 翔一さん
地域と学生をつなぐ、未来のコンソーシアム。
岐阜県美濃加茂市でのワーキングホリデーを原体験に、 東京大学の仲間と共に地域と向き合う場をつくり続けてきた田口翔一さん。 彼が設立した「東大生地方創生コンソーシアム」は、 東京大学の学生と地域が互いに学び合い、 その成果を地域社会へ還元する共創モデルとして拡がり、 今や50名規模の団体へと成長しました。
学生の探究心と地域の課題が出会うことで生まれる新しい可能性。 地域と学生の未来を共に創る田口さんの挑戦を紹介します。
美濃加茂で見つけた
「自分の原点」
地域と初めて出会ったのは、大学1年の夏。 岐阜県美濃加茂市でのフィールドワークでした。
地域の人たちが本気で僕ら学生と向き合ってくれた。 あの “本気の眼差し” や “あたたかさ” が、僕を変えたんです
地域の課題に触れ、現場の泥臭さを知り、 人の想いに心を動かされる。 その経験が、後の活動すべての土台になりました。
文化祭から生まれた
“もう一つの原点”
もう一つの原点は、「文化祭」。
中高大と文化祭に明け暮れていたが、大学4年生の秋、 ある中学校から「文化祭で生徒の主体性を高めたい」 という相談を受けました。
最初は1カ月の約束だったのが、 気づけば学校の文化そのものを変える挑戦になっていました。
生徒が教員と対等に交渉し、自分たちのやりたいことを実現する。 そんな “自治” をどう機能させるか。1年間かけて設計したんです。
放課後に生徒と接し、夜は先生と議論を重ね、 朝にオンラインで資料を作り直す。
文化祭の仕組みをつくることは、 単に行事を運営することではありません。 生徒がゼロから何かを成し遂げる自信と経験を得る 一歩目の場づくりなんです。
寝る間を惜しんで挑んだこの「文化祭コンサル」で出来た文化祭は大成功し、 学校の伝統となりました。
この経験が、田口さんを完全に変えることに。 教育と地域の接点に人生を賭けると決めたのは、このときでした。
文化祭は、生徒たちが自分の言葉で世界を作る “社会の縮図” でした。 だからこそ僕は、この可能性を信じてみたかったんです。
一人の原体験から、
仲間が集う「場」へ。

東大発の共創ラボとして
進化するコンソーシアム
美濃加茂で得た原体験と、文化祭で培った教育デザイン。 その2つの経験を軸に誕生したのが、 東大生地方創生コンソーシアムです。
田口さんがつくりたかったのは “成果を出す団体” ではなく “刺激しあえる場”。
一人の天才より、百人の探究者を育てたい。
その探究者も一人だけでは遠くへ行けません。 探究し続ける学生たちが集える “場” そのものを育てることに価値があると思ったんです。
学生たちは自らテーマを立て、 ゼミのように議論を重ねながら、 全国の地域と協働しています。
地域へのフィールドワークやオンライン勉強会を通じて、 “答えのない問い” と向き合う中で、 少しずつ自分の言葉を見つけていく。
主体性は、自分の中からふっとあふれ出すもの。 僕は、その火花が生まれる “場” に何が必要なのか ずっと向き合っています。
議論に熱が入り、時にぶつかり、また笑い合う。 そうした日常の積み重ねが、 学生たちの中に “地域とつながる意味” を育てていきます。
地域を変えることより、まず “共に感じる” ことから始めたい。
その言葉の通り、 コンソーシアムは今も、 共創の “文化” として静かに広がり続けています。
“共創”は、
文化をつくること
共創って、プロジェクトじゃなくて “文化” なんですよ。
田口さんはそう語ります。
地域と学生、行政と企業。 立場を超えて対等に議論できる “文化” があるかどうか。 それこそが未来を変える鍵だといいます。
若者の意見が “参考になりました” で終わる社会じゃなく、 “一緒にやろう” に変わる社会にしたい。
そのためには、 大人たちが本気で向き合ってくれることが必要ですし、 僕らも信頼を勝ち取れるように進み続けなきゃいけない。
目指すのは、誰かに依存せずとも自走する仕組み。
僕がいなくても回る組織をつくること。 それが僕のゴールです。
田口さんと学生の挑戦は、まだ始まったばかり。 田口さんと仲間たちが描く未来を、 これからも一緒に応援していきたいと思います。
田口 翔一さん
東京大学大学院農学生命科学研究科 博士課程生
東大生地方創生コンソーシアム 設立代表
非常勤教員(高校理科)
一人の物語から、
共創の実践へ。
田口翔一さんの原体験から生まれた 東大生地方創生コンソーシアム。 ミライクエストとのパートナーシップと、 地域で広がる共創の実践を紹介します。
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