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宇宙から見える田んぼの“いま”

衛星データを活用した圃場モニタリングの可能性に挑戦!

美濃加茂市では、地域の農業の未来を見据え、最先端の技術を活用した新たな挑戦が始まっています。
今回取り組んだのは、なんと**「宇宙から見た田んぼの状態を把握する」**というプロジェクトです。

このプロジェクトには、国際宇宙ステーション(ISS)の運用支援などを行う**JAMSS(有人宇宙システム株式会社)**が参加。
美濃加茂市の蜂屋地域にある田んぼの圃場データを、**人工衛星から取得した「植生指数画像」**によってモニタリングし、稲の生育状況と収穫量との関係を調べました。


現場×衛星データで見える新しい課題

分析対象となったのは、2017年から2021年にかけて蓄積された衛星データと、それに対応する田んぼごとの収穫実績。
衛星からは、**稲の葉の活性度(NDVIなどの植生指数)**が色分けされた画像が提供され、そこから生育の良し悪しが可視化されます。

しかし今回の分析では、まだ収量との明確な相関は確認できず
・周辺植物の影響?
・土壌の違い?
・田んぼごとの管理差?
といったさまざまな仮説が生まれ、参加者たちは活発に議論を交わしました。


実現したい未来へ:1年を通じた衛星モニタリングへ

今後は、田植え前〜収穫までの1年を通したデータ収集を進める予定です。
衛星はおよそ5日に1回、美濃加茂上空を通過し、10mメッシュの解析画像を取得できます。
その変化を、現地観察や土壌分析(里山印)と組み合わせながら精度を高め、
**生育不良が見られた際に、いち早く“対処できる農業”**を目指します。

参加者・連携チーム

  • 技術提供: JAMSS(有人宇宙システム株式会社)
  • 圃場提供・意見交換: 春見ライス 春見氏
  • 行政連携: 美濃加茂市農林課(坪井氏・三輪氏)
  • 全体調整: 田園社会イニシアティブ・ミライクエスト

宇宙の目と、地上の知恵。
最先端の技術と地域の農家が手を取り合い、これからの農業のあり方をともに考える。
この実験的な取り組みは、まだはじまりにすぎません。
“空から守る農業”が、ここ美濃加茂から育ち始めています。

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