「もし、火星に“美濃加茂市”をつくるとしたら――?」
そんなゼロベースの問いかけから始まったのは、森と宇宙を掛け合わせた特別授業。
9月16日(水)・18日(金)の5・6時限目に行われたこの講座では、専門家のレクチャーを受けながら、宇宙という極限環境から地球や日本の森林資源を見直す探究的な学びが展開されました。
「森林の資源循環ってどうなっている?」「持続可能って何だろう?」
高校生たちは、資源利用と保全のバランス、そして森の本質的な価値について多角的な視点から思考を深めていきました。

テーマ:森と宇宙
第1回⽬(9月16日):⽕星に森林を含む町をつくるとしたら、どうするか?を(⾃由な発想で楽しみながら)考える。
第2回⽬:⽕星に森林を作るのに何が必要かを(まじめに)考える(地球の森林維持に必要なものが何かを⾃覚するため)
ゲスト講師:青木成一郎氏
京都大学 大学院理学研究科附属天文台 天文普及プロジェクト室 室長 博士(理学)
京都大学非常勤講師、関西大学非常勤講師、大阪経済大学非常勤講師
形式:専門家による講義+ディスカッション
参加者:加茂農林高校 森林科学科3年 16名

はじめに京都大学天文台の青木先生より宇宙の広大さから地球が特殊な環境であること、世界中で研究・調査や先端技術による開発が進められている火星の環境や資源について詳しい解説がされました。人類が火星に移住をするとすれば何を持っていかなければいけないのか、火星にある資源を活用するとしたら何が使えそうなのかなど様々な視点を生徒の皆さんと共有しました。


デザイナーズソイルの開発を通じて、将来的な宇宙農業を目指しているTOWING西田氏からは同社の取り組みを紹介していただき、いまの最先端の研究分野を知る機会を作りました。
株式会社TOWING https://towing.co.jp/


「火星に美濃加茂市をつくるとしたら」何が必要か?
マンダラチャート(DMM – ダイヤモンド・マンダラ・マトリクス)に発送できるものを書き込みながら、生徒の皆さん同士で話し合いながら様々なイメージをアウトプットしました。

美濃加茂市の伊藤市長も参戦。学生の皆さんと一緒に「火星に美濃加茂市をつくったら」何が必要か、のワークに取り組みました。

生徒の皆さんからは森や農地や水路、多様な生物などの環境資源に加え、太陽エネルギーの活用と循環の仕組みづくりなど様々な意見が出ました。そして学校や役場など生活環境・社会インフラにも目が向けられていました。
参加した市長から出た回答の中で面白いのが「ルール」「市長(笑)」というものです。
火星に5万8千人もの美濃加茂市民が移住したらということをリアルに考えたとき、秩序とリーダーは確かに必要だろうと気付かされた回答でした。


手書きのマンダラチャートをデジタル化し、イメージしたものをグループで持ち寄り、チームごとで模造紙に「火星上の美濃加茂市」を描いていきました。チームに共通に見られたのは、閉鎖された空間の中で如何に資源循環をさせていくか、という点でした。しかし、アイデアはすべてのチームが独創的であり、青木先生も唸るほど多くの精密なアイデアを探求心が見られました。





岐阜新聞9月17日 朝刊